茶 碗 ギャラリー No2

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黄瀬戸茶碗 山口正文

 
やきものに感心を持ち始め、まず興味を持ったのは黄瀬戸でした。焼き上がりに
よって様々な色合いを見せ、印花文やタンパン・鉄釉をあしらう様式美、初めて見
た本格的な展覧会 「生誕百年記念加藤唐九郎展」
(平成9年10月2日-14日 名古屋丸栄)
に志野と並んだ見事な唐九郎の黄瀬戸は今でも印象に残っています。写真は、
奥深い茶の湯の世界など何も知らぬまま、初めて入手した抹茶碗です。時々家
族で楽しむお茶の一時、お父さんはこれを使います。

 黄瀬戸(美濃焼園しおりより)
 黄瀬戸は安土桃山時代に、志野・織部・瀬戸黒等と共に茶陶として造られた焼物です。
 土に僅かに含まれる鉄分と、木灰を主とする釉薬に依り黄色く発色させた焼物です。
 ロクロは端正で正確な挽き方をし器形は銅紐・銅締・輪花・鑼・立鼓・宝珠など金銀銅
 器を強く意識したものと成っています。
文様は金属器を意識したものと釉薬の性質上必
 ず線刻か型押し、象眼を意識したものか文様の上にタンパンや鉄でなぞって三彩にし、
 色感を高めています。釉薬が木灰で溶点に巾が無い為、溶け具合に不均整が有り溶
 けの浅い物を”あぶらげ手”よく溶けた物”ぐいのみ手”等と称しています。黄瀬戸は志
 野や織部とは明確に一線を隔した様式を持った格調の高い焼物で、その総体を持ち合
 わせた物こそが本当の黄瀬戸と言える物です。

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