池西 剛

ぐい呑

井戸 (2007年)
               大振りで堂々とした作行き、味わい深い枇杷色の釉、器表や見込、高
              台回りに現れた梅華皮。飾り気がなく素朴な趣に溢れ、それでいて風格
              を感じさせる「侘び」の美を備えた一点。高麗伝来の大井戸茶碗、国宝
              「喜左衛門」(出典:「吟醸の館」)を目標に、陶技の研究・実践に励む
              作者の傑作である。


黄瀬戸 (2007年)
    丸みを帯びた柔らかな造形、胴回りの箆目や削文に濃緑のタンパンが
   印象的な作者の黄瀬戸は、滲みだしたような濃淡ある油揚手の釉調と
   ともに惹き付ける魅力となっている。桃山の様式美とは異なる独自の作
   風、手塩に掛けた優品に一目惚れした。