前田 篤志


ぐい呑

松灰釉 (1999年) 鉄刷毛目 (2000年)

 奇をてらわず伝統に閉じこもらず、若い感性や
創意が込められた造形や釉薬は瑞々しい、そん
な作品群から求めたのは、松灰釉がしっかり掛
かり上品な発色を見せる秀品。

  鉄釉の掛け残しを夜空に満ちた月に見せ、胴
 部に微かな膨らみを持たせた筒型の造形は、掌
 に自然になじむ落ち着いたバランス。作者のさり
 げないこだわりが伝わる。


湯 呑

灰釉 (2006年)

  ゆったりとした口周り、黄瀬戸を思わせる土灰釉の発色、見込み
  にはさり気なく緑彩が施され、心温まる仕上がりとなっている。灰
  釉・粉引に持ち味を発揮する作者の落ち着いた新作である。

粉引 (2000年) 火襷 (2002年)

 
粉引釉が赤みを帯びて焼き上がり、口広・浅めの
器形に落ち着いた上品さを湛える。一年前、
初めて
出会った若手の作者は、しっかりと自分自身のやき
ものの道を見いだしているようだ。

  灰白色の素焼きの器表に幾筋かの印象的な
 火襷をあしらった繊細な作。見込みは灰釉で仕
 上げ、土味・焼成ともに備前の火襷とは違った
 趣を見せている。

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