大前 悟


ぐい呑

 (2016年) 黄瀬戸 (2016年) 鬼ケ島 黄 (2015年) 鬼ケ島井戸 (2014年)

 (2014年) 柿の蔕 (2010年) 無地唐津 (2009年) 会寧唐津 (2009年)





new !  (2016年)

黒から赤そして白と、伝来の名品を学びつつ独自の解釈で一つひとつ自分の物にしている大前さ
んの「楽」。本作は、成形後、野焼きで腰回りや胴の裾に炭化の色替りを付け、さらに窯で仕上
げの焼きを入れる手間を掛けた一点。肌色味を帯びた色合い、口縁の絞りやぽってりとした腰回
りなど、本阿弥光悦、白楽茶碗「白狐」(藤田美術館蔵)の品格を現代に再現した佇まいである。





new ! 黄瀬戸 (2016年)

灰の調合、釉掛けの具合や焼成のコントロールなど、大前さん持ち前の研究熱心
から生まれた黄瀬戸は、色合いや雰囲気が実に渋い仕上がりとなった。黄瀬戸で
は、油揚手やあやめ手など桃山陶の再現に取り組む中堅・若手作家さんも増えて
きたが、独自の路線を歩む大前さんの黄瀬戸、これからの進化が楽しみである。





鬼ケ島 黄 (2015年)

鬼が島(淡路島)に移り、精力的に創作活動を展開する大前さん。古陶の名品を
研究し地元の素材を生かした新作を次々と発表している。黒、鬼が島井戸、赤、そ
して長硅石主体のオリジナル黄釉「鬼が島黄」。黄瀬戸の研究途上、灰の調合から
生まれた一点は、内外に独特の変化が現れる興味の尽きない上がりとなっている。





鬼ケ島井戸 (2014年)

大前さんの井戸は、新作個展の度に進化を遂げる。この鬼ヶ島井戸は、淡路島
(=鬼ヶ島)の素材を用い、試行錯誤の後に完成させた近作。器体に細かく現れた
星状の石ハゼ、高台回りの梅華皮、古格漂う佇まい、大前「井戸」の:傑作である。





 (2014年)

2年ぶりの大前さんの新作展で入手した「黒」。窯焚きの度にその深く侘びた
風合いは増している。「黒」を求めるなら、大前さんと一緒に見た長次郎の「黒楽」
縁のギャラリーさんでと決めていた念願を果たし、楽しいお話も伺うことができた。





柿の蔕 (2010年)





無地唐津 (2009年)





会寧唐津 (2009年)




〔プロフィール〕
1972年 大阪に生まれる
1990年 神戸にて陶芸を始める
1994年 土を採取し始め、南蛮焼締を焼く
1999年 大阪にて初個展
2001年 信楽に移住
伊賀・信楽の窯変焼締を始める
全国的に個展活動を開始
2003年 全地下式穴窯を築窯
2005年 施釉陶器に興味を持ち、白磁や唐津などを焼き始める
2007年 李朝時代の焼物に魅かれ、井戸茶碗や柿の蔕茶碗を穴窯焼成にて焼き始める
2010年 兵庫県淡路市に移転
半地下式穴窯を築窯、黒茶碗を焼き始める
2014年 赤茶碗用薪窯を築窯


個展の記録→