関 守高

ぐい呑


new ! 志 野 (2018年)


独自の風合いをめざし、満を持して作陶に取り掛かった志野の新作。白い胎土での品のある釉調は中々取れないとのこと。
本歌の桃山志野以来、幾多の作陶家が志野に取り組んでいるが、未だ遣り尽くされた感が無いのも志野の奥深いところでる。





new ! 窯変澪燦盃 「嶺」 (2018年)

瀬戸黒を焼成する窯の中で、まさに神の手による不世出の一点が生まれた。青紫色に窯変し鈍い光を
湛える佇まいには、やきものの奥深さと不可思議、作陶への強い思いが作品に凝縮されているようだ。





瀬戸黒 (2017年)

2003年、関さんの瀬戸黒と初めて巡り合ってから14年、色艶・釉調・造形いずれも圧倒的に進化した黒の新
手にすることができた。本作は薄手の器体に見事な梅花皮を見せる漆黒の釉が見所、片身には褐色の窯変が現れ
変化となっている。陶芸家を志して22年、素材や焼成に研鑚を重ね、一筋に打ち込む中から生まれた逸品である。







黄瀬戸 (2016年)
2005年、初めて関さんの黄瀬戸に出会って11年。近年、釉調・発色・風
合や造形は著しい進化を見せ、本作は一つの到達点と言っても過言ではない。
轆轤目を残しゆったりと挽かれた胴周りに淡いタンパン、一転して高台は荒々
しい素地の削りに釉が掛かる。関さんとのご縁の中で、記念すべき作である。






志野六角 (2016年)
品格を湛えた白いやきもの、桃山の志野は当時日本では無かった白いやきものを志向
して生まれた。素材と釉薬の相性や焼き上がりの様子を、テストを重ねる中から体得
し、遂に完成した関さんの志野は、桃山の志野の原点に迫る。伝統陶芸を志す者の極
みに向け満を持して手掛けた志野は、2016年、素晴らしい出来栄えで完成した。




黄瀬戸 (2014年)
引き締まった高台、器表面の削り込み、見込みの轆轤目、口縁の起伏、いずれも研ぎ澄ま
された造形である。カセた色合いに焦げの現れた釉調は独自の風合いを醸し出している。
9年の歳月を経て、風合い・釉調・造形共に格段に趣を増した関さんの黄瀬戸と再会した。




織部 (2006年)
思い切った削り落としにさり気なく施された緑釉、たおやかで腰の張る
器形、巧みな篦目と釉の濃淡が調和して、溌剌とした仕上がりとなって
いる。関さん新作織部、これからの姿・色合いの変化が楽しみである。




黄瀬戸 (2005年)
 どっしりとした腰回り、器形を引締 める篦目、思いきった削落しに
タンパンを施し変化を付ける。釉がカセた味わいとなり趣を添える。
造形釉薬・焼成に精進する関さんの黄瀬戸、初々しい出来である。




瀬戸黒 (2003年)
釉の流れや縮れによる変化、深みのある発色、まさに本格的な
瀬戸黒ぐい呑みである。見る度に完成度が高まっている関さん、
長三賞伝統の部入選を果たし、今後が楽しみな作家さんである。



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