DOUBLE+CROSS THE 2nd EDITION リプレイ

『赤月にて慟哭す』


2006/12/18〜22
ゲームマスター:久流
プレイヤー:だいち/SATMRA/炎舞(敬称略)

キャラ紹介 オープニング ミドルフェイズ1 ミドルフェイズ2
ミドルフェイズ3 クライマックスフェイズ エンディングフェイズ

■ミドルフェイズ3■
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トリガー・フェイズ 【女王の夢と獣】
Scene Player :番 睦美 登場:自由
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睦 美:(いっころ)
ダイス:1d10=(3)=3+59=62
ひたひたと歩いてきた道は
赤く血の道で。
己の手の血管は破裂して真っ赤で
己の姿は仲間の血を浴びて真っ赤で
ただ光の無い道をひたひたと歩く
進んでいるのか 下がっているのか
それすら判らず
ひたひたと歩く

ふと。我に返ったのは
支部から暫く南下した交差点の歩道の赤信号。
間の抜けた音楽に連れられて対向の歩道の者が歩き始める。

大した距離でもない――のに息が乱れて。ひどくあたりの音が聞き取りづらいのは、鼓動の音ばかりがどくどくと響いているからで。
やがては自分の向かいの信号が赤より青へと変わり。
自分の隣にいた人が歩き始めた。
睦 美:「(だめ……これ、じゃ……こんなじゃ、まだ……壊れたら……)」
向かいから来るのは
青い瞳の左の目を持つ黒羽学園の制服を着た少女。
隣にいる誰かと談笑し、ゆっくりと歩いてくる。
”女王”を見つけるまでは。少なくとも先に見つけられれば。完全に狂うのが――私だけで済めば。

”女王”、を――
”目”が──
睦 美:「……っ、あ」
”あった”

口元が吊り上げられる。
それでも少女は隣にいる誰かと何かを喋りながら。一歩一歩君の元に。
ああ。いた。そうか。これが――そうなのか。もっと、人間じゃないような、そんなモノを想像していたのに――。
睦 美:「――は」
    自分の漏らした息は笑いにも似ていて。意識に刷り込まれた反応が、”周囲の人間に気付かせてはならない”と警告し、本人が従わないと見れば、無意識の反射がエフェクトを発現させる。
少女が一歩近づく毎に。
己の足がずぶりと飲み込まれる。そんな感覚。
いうなれば傷を素手でゆっくりと触られる忌避感。

抉られた傷口から、水の中に血が流れ出すように、視界が赤く掠れて行く。――《ワーディング》。
ぱしり。
世界が停止し。
眼前で玉突き衝突が起きた。だが。モノクロの世界では煙すらただ無色。
白と黒の世界においても。彼女の瞳は依然として”青”かった。

――ああ、そうなんだ。わたしは、つまり、こうしてぜんぶ、なかみがながれだしてしまうまえに。

右腕を振り上げる。もう、異形だろうと、そんなことは構わなかった――もともと、異形のようなものだった。人殺しの、血に塗れて、誰も彼も傷つけて殺すことしか出来ない右手。

――このひとを、ころせばいいんだ。
”青の女王”:「────ふふっ」
    ただ悠然と佇み。その様を見る。
    ただ右の手の指を開けて正面に構え。
鼓動。鼓動鼓動鼓動鼓動鼓動――鼓動。
異形の腕を、少女の体に叩きつける。叩き付けよう――として。

ずぶり。
”青の女王”の手は水に浸かるように。君の胸に侵入した。
”青の女王”:「────可愛い鼓動ね。”ハート・トゥ・ハート”」
睦 美:「あ」
G M:※衝動判定。目標値:14
睦 美:(ころころ)
ダイス:4r10=(8,9,7,6)=9+1=10
G M:失敗。目標値維持。侵食率:+2D。
睦 美:(ころころ)
ダイス:2d10=(5+4)=9+62=71
”青の女王”:「どうしたのかしら。10年前のお仲間と同じく。頭を垂れてくれるのかしら。”ハート・トゥ・ハート”」くすり、と無邪気に。妖艶に。少女は笑う。
睦 美:右腕が弾ける――ではなく、潰れる。崩れる。自分以外の誰一人傷つけられないままに血溜まりになって地に落ちる。
睦 美:「……あ」
”青の女王”:「”フェノメノ”でも。あなたは優れた能力を持っていたわ。そうね。とても。優秀」
睦 美:名前。十年前の。自分で殺した――思い出せない。記憶処理。不要な。殺したという事実だけが記録されて。
    地に落ちた君の首を愛しそうに撫でて。
”青の女王”:「あなたはこの近年、とても愛しい”傷”を蓄えてきた。とてもとても」するすると。喉を撫でて。
優秀なひとごろし。優秀な実験体。優秀な。優秀な。優しそうな笑顔、体の中に入ってくる腕――
――撫で回す手。
睦 美:「……ぃゃ、あ……」
”青の女王”:「そんなあなたが会いに来てくれたのだから」
睦 美:鼓動が。高まる。恐怖と……いまでは理解できない感情と、誰かの顔。このまま行ったら、無駄になる。ひとりきりで、無為に――
”青の女王”:「”女王は迎えましょう”」
睦 美:「ぃやああああああああああああああああああッ――――!」
青い瞳が光を帯びて。
喉が――”身体が張り裂けるほどの”悲鳴。制御を失ったエフェクトが際限なく鼓動を加速させて――
 刻 :(いっころ)
ダイス:1d10=(10)=10+42=52
―――ザッ。
―――ザッ、ザッ。
その歩みは――少女の裂ける程の叫びの中でも――響き渡る。
―――ザッ、ザッ。
”青の女王”:「──ふふっ」”青の女王”は笑って。手を睦美から離す。
睦 美:「――え?」
”青の女王”:「助けかしらね。”ハート・トゥ・ハート”」
睦 美:急速に身体が沈静化する。頭がクリアになる。刺激が急速に削れたからか――それとも、そこに誰かが現れたからか。
 刻 :「―――ここに、居たか」片手に刀を携え、悠然と歩いてくる。
G M:ふふっと笑って。一歩引く。
睦 美:「多々良……さん。どうして」
G M:それは逃げるのではなく。ただ戯れに舞を踊るように。
睦 美:千切れ落ちた右腕。抉られた胸元。呆然と立ち竦む血生臭い姿は、寧ろ、異様な世界から浮いていて。
”青の女王”:「部下の落とし前、と言った所かしら、ね」
 刻 :「……もう一つ。」ざっ、と睦美と青の女王の間に立つ
    「―――”あの時”、何も出来なかった自分を、超えに来た」静かに、言い放つ。
睦 美:「――あ」
    それは。その言葉は――。
”青の女王”:「──ふふっ」
    「”出来るかしら”」
G M:すっと手を振るうと。其処には血で出来た赤い赤い血の剣。
    視線を向ければ。”女王”の姿無く──”狩猟者”。
 刻 :「―――出来るか、か」すっ、と抜刀の姿勢を取り
”狩猟者”:「────相手にもならず。俺を失望させた者が、な」
    「──フン」
 刻 :「―――出来る出来ないの問題ではない―――為す。必ず、だ」眼を見開く
”青の女王”:「貴方には、”仕込み”がなってないからこの程度ね」
G M:もう一度手を振るうと。”狩猟者”は掻き消え。”青の女王”の姿。
睦 美:何か強いものが、いる。目の前に。なのに私は――なんで、こんなにも、弱いのだろう。
”青の女王”:「さて、と。興醒めね」
G M:ぽつんぽつんと、周囲に青い光が浮かび上がる。
 刻 :「―――……。」逃げるか、と眼で語る。
”青の女王”:「お望みならここで。あなたの避けた先には人が。かわした先には子供が」
    「その事を考えると。少し興味は沸くわね。”嵐の前の静けさ”」ふふっと笑う。一歩詰める。
 刻 :「―――…。」抜刀姿勢を解く。
”青の女王”:「──ではさようなら。意味があるなら学校の屋上までおいでなさいな。”ハート・トゥ・ハート”、”嵐の前の静けさ”」笑い一つ残して消える。

 刻 :「―――…。」消えた場所を見つめ
    「―――…。立てるか、番」番の方へと振り返る
睦 美:「あ……あの」
 刻 :「…………何だ?」
睦 美:「ありがとうございま……あ」
    反射的に”右手を”出そうとするが、まだ形すらない上に、再生する先は異形の腕。
 刻 :「………。」黙って”右手を”取る。
睦 美:「……すい、すいません、その、いま、立ちますからっ……大丈夫で……」と、言いつつ、左腕で身体を支持しようとして、潰れる。
 刻 :「………っと。」片手で番の身体を持ち上げる。
睦 美:「……すいません、ごめんなさい……あの、UGNの人間が、こういうことを、……その、一般の方に……」
 刻 :「―――…謝らなくていい。……それより。まずは、この場から離れるぞ」周りを見渡してから言う
睦 美:「……あ、う」惨状を認識する――自分のしてしまったことを悟って蒼白に。
 刻 :「………幸い。死人は居ない」と言い切る。
G M:炎上中。
 刻 :「……さっき、確認した時、はな」
睦 美:「……そう、です。その、UGNに連絡を……そうなんです、あの人を……”青の女王”を、早くなんとかしないと……」
 刻 :「……ああ。そのつもりだ」携帯を取り出す
睦 美:「……多々良さん」通話する前に。
 刻 :「……ん?」
睦 美:「その、行かれる……んですか、学校の、屋上」
 刻 :「―――ああ」はっきりと、答える
睦 美:「……私も」
「私も行って……いいんでしょう、か……」
 刻 :「――それは」
「―――己自身が、決める事だ」静かに。
睦 美:「…………ぁ」
強い――ひとがいる。少なくとも、知る限りで、当たり前のオーヴァードで、何か特別な能力があるわけでもなくて、それでも、私なんかよりずっと強い人がいる。理解できた――。
こんなふうに、もしかしたら私も、強くあっても、いいのかもしれないと、思うことが、できた。
睦 美:「……すいません、あの、身体が動くようになるまで、少し引っ張っていってもらってもいいですか」
 刻 :「………構わんよ」UGNをコールし「………多々良だ。至急、救急・消防の手配を頼む」片手で引っ張り、もう片方は携帯を取る。そして、周りに容態が危険な人が居ないか探しつつ歩いていく
G M:玉突き衝突なんで普通に重軽傷者はいますな。程なくして救急車はやってくる。
 刻 :「……さて。」人目が付かない場所まで移動する
    「……聞いているか。」誰かに向けて
    「………聞いているなら。決着をつけに来たいのなら、黒羽学園の屋上に、だ」
壬 緋:(いっころ)
ダイス:1d10=(3)=3+54=57
壬 緋:「いつから気が付いてた?」あややと、歩いてきて
 刻 :「………先程、とでも言っておこうか」
壬 緋:「こっそり付いていって、『真打は最期に〜』とか言うつもりだったんだけど」くすくすと笑って。
睦 美:「……え、真殿……さん?」
壬 緋:「結構長い間見てたんだけどなあ……女王様もボクに気が付いてたのかどうか不明かも。御免ね。様子見るつもりでずっと放置しちゃってて」
睦 美:「いえ、その、こっちこそ……すいません、ひとりで先走って……その……ごめんなさい」
壬 緋:「ううん。実は半分泳がせたって言うのもあるし。謝るのはこっち。番さん実はね」
    「(腕を掲げて見せて)自分に負けることを意味してるらしいよ。これ」
睦 美:「…………」
壬 緋:「足掻くって決めたんだから。最後まで頑張ろうよ。それにあっちは女王だろうけど」
    「こっちの後ろは王様が控えてるよ?」(いろんな意味で)
睦 美:「……ええと、その……こういうときは……」
    「……大駒じゃなくてもできることが、とか、言うべきなんじゃないでしょうか……?」少しだけ笑う、ような。
壬 緋:「最弱の駒で女王は取れるんだから。ね?」
 刻 :「………。」二人を見守るように。
睦 美:「……はいっ」
壬 緋:「じゃ。がんばろー」無駄に元気だ
 刻 :「………行こうか」ふぅ、と息を吐く。深呼吸
──ミシリ ミシリ 
ぽたり

   ぽたり
              ぽたり
──青い光。

キャラ紹介 オープニング ミドルフェイズ1 ミドルフェイズ2
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