マスターシーン 【ridicule】
「これでUGNが介入してきましたね」
少女が言う。
「そうだねえ」
何のことない、と言わんばかりに返事を返す『少年』がいた。
それを見やるや、少女は呆れた様に眉を顰める。
「……夢魔の王、なんですかそれは」
「いやあ、あの身体ちょっと壊れちゃって。余計な手出しするもんじゃないなあって猛反省中」
少年は悪びた様子もなく笑う。
「でも、いいや。断章はUGNに任せようかな」
「漁夫の利を決め込むつもりですか」
「いけない?」
「……別に、あなたの取る方法がどうかというのはこの際任せるので私にとってはどうでもいいのですが」
「ん。じゃあそういうことで」
ウフフ、と哂う少年。
それを見て呆れる少女。
「まったく、貴方が関わるととにかく遠回りでよろしくないですね」
「やだなあ。今回の場合は保険をかけてかけて入念に手を回してるって言ってほしいな」
「そうですか……」
少女の溜息が全てを物語っていた。
 
  エンディングフェイズ 【報告】
場所:支部長代理室 登場:”天空を泳ぐもの”此代 詠魅 不可
G M:支部長代理 天城 美鈴は報告を受けて、ふむ、と頷いた。
美 鈴:「確かにディアボロスは、『狩人』と言ったのですね?」
詠 魅:こくりとうなづく
G M:美鈴「以前の件と今回の件は実の所繋がっているのでしょうね……」
詠 魅:「……あれは、ほおって置いてもいいの?」
G M:詠魅の言葉に考え込むように。
美 鈴:「……霧谷さんと相談してみなければわかりませんが、とりあえず当座の間、警戒を強める以外のことは出来ませんよ」
詠 魅:そう、とつぶやく。
美 鈴:「ただ。可能であれば、今回のように情報等を提供してくれればありがたいですけどね」
美 鈴:「協力体制をとるとか……叶わぬ夢かしらねえ」
詠 魅:「……あっちが譲歩しないと、むりじゃないかな、と」
美 鈴:「まあ、譲歩といっても何を、ってことですが……」
美 鈴:「それと、断片、でしたか。それについても調べておかなければいけませんね」
G M:目の前の紙束を見る。
美 鈴:「……これだけを見るなら、シンドロームの『サラマンダー』について書かれているとしか判りませんが……」
詠 魅:(断章だけど、まあさめっこはつっこみ体質じゃないからするー(何<断片
詠 魅:それでも、たしかにそれは具現化し、脅威を撒き散らしていたものなのだ。
美 鈴:「……つまり、これは他のシンドロームに対応するようにあるってことなのかしら」
詠 魅:現在は、レネゲイドの活性が収まっているだけなのか、あるいは紙そのものにではなく、べつの何かが具現化したものなのか。
詠 魅:「……そこまでは。また彼等に接触してみれば何かわかるかもしれませんが」
詠 魅:「今回のように共闘のような条件がなければ、情報は開示しないかと」
美 鈴:「エージェントを何人か動かしましょう。ただこまねいて情報を提示されるのを待つよりはある程度こちらから動いた方がまだ建設的ですものね……」はあ、と溜息
美 鈴:「此代さんは今回の件で頑張ってくれましたので、少し休んでください。病み上がりだったのに本当にありがとう」
詠 魅:いえ、と軽く答え退室する。
G M: 
G M: 
詠 魅:しばらくはプールでのんびりと過ごせる時間が増えそうだ、と心ときめかせながら。
G M: 
G M:シーンエンド。
 
  エンディングフェイズ 【湯川 泉武はやっぱりこういう奴だ】
場所:湯川 泉武の家 登場:”静かなる猟犬” 風見 高人 ”真紅の魔神” 真田 直人 不可
G M:あれから数日後。
G M:湯川 泉武の記憶を消しておいたが、あれから大丈夫だろうか。
G M:少々心配した君は彼の家を訪ねた。
湯 川:「……くそぅ。噂の新種の蜥蜴は捕獲ならずだったし……」
湯 川:「聞いてよー! なんか国際何たらって理由でコモドオオトカゲ飼えないんだって〜。酷いと思わない!?」ぐるんと君たちを見て
直 人:「いや、それが普通だと思うぞ。」とがしがし揺さぶられながら答える。
高 人:「…………」心配する必要なかったなと思いつつ、ため息。
湯 川:「いい!? コモドオオトカゲはロマンなんだ! あの力強いボディに隠されたあの鋭い歯! わかんないかなあ」
直 人:「飼いたいなら、現地で住め。飼えるぞ」そしてここは静かになると
高 人:「……ロマンは分かったが法律じゃしょうがねぇだろうよ」
湯 川:「仕方ない、ほかに珍しい爬虫類いないかな」
湯 川:「たとえば、ドラゴンとか……知り合いにいないかい!?」
直 人:「お前が知らないのに俺が知る分けない」とやれやれと首をふる
高 人:「……ま、がんばって探しな。それじゃ俺用事あるから」ため息ついて去ろうとするぜ(何
湯 川:「せっかく心配してくれたんだから、君たちにお礼でアオジタトカゲをあげるよ。可愛いよこの子たち」
直 人:「飼える場所がないから、気使いするな」
高 人:「……てーか、素人に渡そうとすんなよ!」思わず叫んだ(何
湯 川:「むう、かわいいのに」
湯 川:「じゃあね。青大将だったらどう?これなら初心者向けだよね」
G M:注:そういう問題ではありません
直 人:「まあ、あれだ。現地で本物を見たら話してくれ。そういう話ならぜひ聞きたい。」
湯 川:「とりあえずは虫類買うのは遠慮されるのね」
湯 川:「可愛いのにねー」ニシキヘビなでながら
湯 川:「じゃあねえ。このこの生態を教えてあげるよ。そしたらきっと好きになるよ」そう言って、きらきらすると
直 人:「……(まあ、忘れてくれてるならいいや)」といって、お茶をすすりながら話を聞き流し続ける
G M:君たちの頭の中に「今日もどうやら夜までつき合わされそうだ」と言う共通認識が宿った
高 人:「(……帰りてぇ)」心の中でそう呟いた。
高 人:(何
G M: 
G M:シーンエンド。
 
  エンディングフェイズ 【黒の魔女】
場所:公園 登場:”傍若無人” 逢杜 玲 不可
G M:いつも通り、猫に餌をやりにきたわけで。
G M:すると先日知り合った女性がいつも座っているベンチに座っていた。
 玲 :「よーし今日のご飯は枕崎の鰹節を使ったねこまんまだぞー」
 玲 :普段のようにあげてから、先日のベンチに近づく。
女 性:「こんにちは。猫さんには豪勢なご飯ね」くすくすと笑って。
女 性:「少し晴れ晴れとした感じの足音ね。悩み事か探し物は解決したのかしら」
 玲 :「おかゆの餡かけ作った時の出がらしだけどな……一応は解決した」
女 性:「そう。よかったわね。あれから、あの不思議な蜥蜴もいないみたい」
 玲 :今日も例の本を見てるのかな?
G M:視てますね。
 玲 :ページはこないだの断片と同じサイズですよね。
G M:ですね
 玲 :「今日もなんにも書いてないか」
 玲 :本を覗きこむ。
女 性:「そうね、いつも通りよ」
女 性:「妙なことを言うのね。そういうこと苦手そうだったのに」
 玲 :「自分に正直になったらすっきりした、それだけは。苦手なのは変わらねーよ」
女 性:「そう。……ねえ、ところで貴方」
G M:す、と手を伸ばして、君の手を取る。
女 性:「怪我をしたのね。それも随分深い傷を……でも無事で何よりだわ」
 玲 :「薬つけときゃほっといても治るさ」
 玲 :つけなくても治るが、とは言うまい。
女 性:「強いのね。さすが男の子」クス、と笑って手を離す。
女 性:「本当、目が見えないとその分他が敏感でごめんなさいね」
 玲 :「いや、初見で俺を男って分かる人間の方が珍しい。気にしちゃいねーから」
女 性:「だってほら、目が見えない分、感覚のほうで判断するもの」
 玲 :「なるほど……」
 玲 :ふむ、と考えて。
女 性:「記憶力も良くて。みんなが忘れていることを覚えていたりするのよ」
 玲 :「だから占い師、か」
女 性:「ええ。占い師……」
 玲 :いろんな人間見てればその知識もつくのは当然か。
女 性:「ねえ。貴方ならわかるかしら」
 玲 :「何を?」
女 性:「『オーヴァード』って言葉」
 玲 :その言葉を聞いた瞬間《ワーディング》を張る。
女 性:「……?」
G M:不思議そうな顔で周りを見回すよ
女 性:「空気が変わった……? 何が……」
 玲 :つまり、動いてる?
G M:動いてますな
G M:ただ、自覚はなさそうよ
 玲 :ふむ。
 玲 :解除。
女 性:「あの、何があったの、今?」
G M:不安げですよ。
 玲 :「――答えが知りたいんだったら、郊外にあるホテル・エリュシオンの六会ってフロントにこう尋ねてくれ」
 玲 :「『私は色あせることはなかった』」
 玲 :「公園で猫に餌をあげてる女の子にそう言われたって言えば話を聞いてくれるはずだ」
女 性:「女の子って……貴方男の子よね?」
 玲 :「ごらんの通りの容姿だからそう言えば向こうも検討ついてるのさ」
女 性:「……貴方は何を知ってるの?」
 玲 :「――知らなきゃよかったこの世界の真実」
女 性:「それは、この本にも通じるものかしら」
 玲 :「ああ」
女 性:「そう。貴方は何かを知っているのね」
女 性:「行ってみるわ。貴方の言うホテルに」
 玲 :「……名前。名前を聞いてなかったな」
女 性:「イリシャ。イリシャ・ゼロ・グランディーク」
G M: 
G M: 
 玲 :そういえば。
 玲 :先日保護したアオジタトカゲが何故かうちに住み着いた。
 玲 :丸太みたいにごろごろ転がって移動したり。
 玲 :ちーとか鳴いたり。
 玲 :手足がなかったりする変なトカゲだが、すっかり2次元の住人になりつつあるどこぞの竜にくらべりゃマシだろう。
G M: 
G M:シーンエンド。
 
  マスターシーン 【Eternal starting】
闇の中。
手元を照らす小さな光源の元で本を読む女性がいる。
黒いコートの人物が女性の後ろに控えるかのように突如として現れた。
「やあ、セブン。先日はありがとうね」
振り向きもせずに女性は軽い口調で声をかけた。
その女性の概観は異様といってもいい。
黒を基調にした身体のラインを強調するドレスに、黒のロングヘアー。
不釣合いなほど無骨なゴーグルが顔の半分を覆っている。
「まったくいい迷惑ですよ。あいつ等と関わるなんて勘弁してほしいんですが……途中で動くなとかどういう意味です?」
長身の黒いコートの人物が肩を竦める。
「土俵の外にいた『万物の守護者』を引き上げるってことかね。なにしろ『偽者の心臓』と『来訪者』が動いてる以上、奴らの手を借りるほうがこちらは有利だろう」
「あの、俺あそこから監視されてるんですが」
「まあまあ、これからそういうことは沢山あるよ」
その姿に、呆れた様に肩を竦めてコートの人物がもう一度言う。
「一体何が起ころうとしてるんですか? というか、何を企んでます? 貴女は何を知っていて、何をしようとしているんですか。ただでさえ『偽者の心臓』の一件で『狩人』は混乱の極みだというのに、貴女は一体……」
セブンと呼ばれた黒いコートの人物の質問に女性は笑って答えた。
「黒囁が抱えてる断章を集める……『”黒囁”自身への狩り』という意味では今までの方針を変えるわけじゃない。ただ少し、仕事が増えるだけだよ。無論、回収に関してだけで言えば、私が動く」
「貴女が?」
「ま、色々訳有りで」
ふふ、と女性が笑う。待ちわびた祭りを迎えるかのように。
「俺は堕ちたモノを狩れればそれでいいです……」
「おや、それはつれない」
「貴女ほどでは在りませんよ」
「ところで”女王(クィーン)”はなんて言ってた?」
「貴女が約束を護ってくれるなら、いままで通り手を貸すと」
「なるほど。何と言うか。健気だね」
くす、と笑って女性は黒い表紙の本を閉じた
 
「さあ。遊戯の始まりだよ」
 
  Double+Cross The 3rd Edition
 『黒と白と症候群 −火蜥蜴は竜になる夢を見る−』
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