DOUBLE+CROSS THE 2nd EDITION リプレイ

原初の光(後編)


2005/1/30
ゲームマスター:Ascalon
プレイヤー:ハーミット/桜井 蒼樹/だいち(敬称略)


■キャラ紹介とオープニング■
【シナリオ予告】

遙か昔より連綿と陰陽の術を受け継いできた由緒正しき一族。
18年前、世界が狂ったあの時以来、この国を守るために人ならざる力を振るってきた護国の戦士。だが、少女が抱くそんな幻想は、現実の前に脆くも砕け散る。
「必要なのは血を残す胎だけだ。聞き分けがないようなら手足をもいででも連れ戻してやるさ」
光を求める若き風使いの陰陽師が、暗く燃える野心と共に久路洲市に現れる。そして、
「貴女は本当に理想を信じているの? 唯それだけが世界の真理と、そう教えられただけではないの?
 ――そう、かつての私UGチルドレンのように」
薄い微笑みを浮かべ、“智天使創者”が光を惑わす。
かくて久路洲市を舞台に、光を巡る死闘が始まる――


【ハンドアウト】
●PC1:夜白 終
シナリオロイス:夜白 光姫(やしろ・みつき) ■庇護/不安
PC間ロイス:久川 慎一 ■誠意/無関心
愚直なまでに夜白家のお題目を信じ、“日常”を知りもしないのに“日常を守る”ために戦う。
そんなふうに生きる妹に、君は危うさのようなものを感じていた。
けれど、亡霊同然の自分が、人の生き方に干渉して良いのだろうか……
そんな悩みを抱く君に、しかし考える時間は残っていなかった。
彼が来たのだ。かつて君を殺した者が、君の妹を我が物とするために。



●PC2:久川 慎一
シナリオロイス:夜白 久陽(やしろ・くよう) 感服/■隔意
PC間ロイス:村瀬 尚 ■誠意/隔意
恐るべき能力を持つ稀代の風使い。夜白家の若手たちのトップを張る最高のエリート。
夜白家の名を知らずとも、彼の名を耳にする機会は多い。依頼を必ず果たす有能さと、
目的のためならば手段を選ばぬ非常さゆえに。
その彼が、密かに久路洲市へとやってきたという情報が入った。
OZはすぐさま君に監視を命じる。なぜなら、彼には裏でFHと繋がっているという噂があるからだ。


PC3:村瀬 尚
シナリオロイス:ケルビム・メイカー 脅威/■敵愾心
PC間ロイス:夜白 終 ■好意/嫌悪
“シミュレイター”と“ケルビム・メイカー”、
ここ最近、久路洲市を中心として活動中のFHエージェントだ。
その片割れ、“ケルビム・メイカー”が動き出したとの情報がUGNに入った。
今回君に下された依頼は、“ケルビム・メイカー”の暗躍を阻止する事だ。

GM:さて、それではセッションを開始します。
まずはPC1から順番に自己紹介をお願いします。終わりましたら以上で締めて下さい。


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 Double+Cross The 2nd Edition
 『原初の光(後編)』
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 自己紹介

■夜白 終
「私は夜白 終。シュウの…兄みたいなモノだのう」
「で、何か用があるのだろう?」
「できれば、あまり亡霊を扱き使ってほしくは無いのだがのう」
UGNエージェント、天凪 終の元になった本来の人格。
滅多に表に出てこないが天凪と違いまともな性格をしている。
■シンドロームはバロール・オルクス、HP:18、IV:10
夜白:以上、よろしくお願いします


■久川 慎一
「あ、はじめまして。久川 慎一って言います。18歳だけど、病気がちで留年してるから高校二年生です」
「“血染めの拳”なんて物騒なコードネームが付けられてるけど、ちょっと不本意」
「喧嘩は好きじゃないし、『こういう力』もあまり使いたくはないんだけど……」
「でも、この力で誰かが助けられるんなら……いいな、って思ってます」
「特技は家事先般かな? お弁当は毎日自作〜」(何故か二人分の弁当箱)
「うさちゃんりんごにー、たこさんウインナー。よーし完成♪」
「あ、あれ?ウインナーってお肉だっけ?」(くらくら、ぱたん)
UGNの医療機関「ホワイトハンド」志望だけど血に弱い高校生。
オーヴァードとなった今でも相変わらず病弱。たまに吐血。
■ブラム=ストーカー/ノイマンHP18 イニシアチブ8 基本侵食率29%
シナリオロイス:夜白久陽(やしろ・くよう) 感服/■隔意
任務達成率がすごいらしいねー。でも、あのやり方はあまり好きじゃないなぁ。
PC間ロイス:“重力の姫”  村瀬 尚 ■誠意/隔意
何度か仕事してて、頼りになる子なのを知ってるんだ。
でも、口調がなんとなく変な子だなぁって(^^;;
慎一:以上。


■村瀬 尚
「はいはいはーい。村瀬 尚(むらせ このみ)でス。今日も正義の味方がんばりまース」
県立高校1年生。UGNとFHの関係をある意味若干というか、かなり語弊のある認識をしている。
同人描きコスプレイヤーと、かなりアレな趣味の持ち主でゲームやアニメの中の台詞を引用することもしばしあり、現在養父母と同じ年の姉と暮す。
普段の明るい姿はいわば仮面をかぶった状態で、本質はずいぶんと薄暗く、闇に解けている。《アーマークリエイト》+《暗黒の衣》発動時、特に指定がなければ漆黒のドレスに身を包む。
■バロール/モルフェウス
■高校生/高校生 HP14 IV12(10)基本侵食率32% 反撃型。

:以上でスよ


GM:GMはAscalonがつとめさせていただきます。
なお、セッション中の注意点として演出戦闘について述べます。
私のセッションでは基本的に常に可です。浸食率上昇も不要です。

以上です。それでは、よろしくお願いいたします。

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■マスターシーン 【悪役風景(3)】
FHセーフハウス 時刻:今朝
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打ちっ放しのコンクリートの壁に、乱立する機材の山。
そんな無機質な部屋の中、テーブルに差し向かいで座る男女が一組。
「……報告は以上よ。何か質問は?」
「いや、特にない」
手に持った資料をテーブルの上に投げ放ち、陰陽師は席を立つ
「どうやら“天凪終”は眠っているようだからな。夜白の兄妹をまとめて手に入れるまたとない好機。利用させてもらおう」
「上手くいったら、私達の手伝いもお願いね」
「わかっているさ……ではな」
そう言って、陰陽師は部屋を出てゆく。
その背中を見送ってから、ケルビム・メイカーと呼ばれる女性が静かに席を立つ。
「さて……私も少しは働かないと、ね」


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■オープニングフェイズ【日常って何だろう】
 夜白 終 場所:久路洲市・中央西公園 時刻:午前 登場:不可
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GM:浸食率上昇をお願いします
夜白:(いっころ)42%

天気の良い午前中、君と光姫は公園のベンチに座って、行き交う人を見ています。

 若いはずなのに爺臭い二人だった。

夜白:「うむ、今日も平和じゃのう」ぼーっとしてようかの
GM:特に会話もなく、ぼうっと人々の様子を眺めている和服姿の男女、ということで周囲からは浮いておりますw
この一週間、君と光姫はいっしょに暮らしていたわけですが、特に用事のない時はいつもこんな感じです
光姫:「……そうですね」 同じくぼうっとした感じで、気のない返事をする
夜白:「うむ…」ぼーっとしてる
GM:この一週間というもの、久路洲市に頻繁に出没するようになったFHエージェントと戦うか、人々の様子を眺めるか……
光姫はそれ以外のことを知らないのか、ただそれだけしかしていません。
そして、もう一つ気になる事といえばこの一週間というもの、“天凪 終”が一度たりとも表に出てこない事です。
夜白:「して、光姫よ…暫く家を出てみてどうじゃ? 何か学べたかの?」のんびりと
「しかし…シュウは何時まで寝ておるつもりかのう…」聞こえぬように小声で呟く
光姫:「実戦を経験したのは初めてでしたから……それは勉強になりました。それから………」 そういって、公園で笑い会う母子連れに視線を向け
夜白:「ふむ?」同じく母子連れの方を見る
光姫:「……今までは何とも思わなかったのですが……日常というものを、ひどく遠く感じるようになりました」
夜白:「……そうじゃろうな。あの屋敷の中では…篭の中から世界を眺めるとの一緒じゃしの」
光姫:「……それでも、私は。私は夜白ですから……この国を守るため、戦わなければいけないのです」そこで、ふっと視線を終の方に向けて
「兄様は、なぜ戦うのですか?」
夜白:「ふむ……降りかかる火の粉を払うためと日々の糧のためかの?」暫し考えてから答えを告げる
光姫:「この国を……この日常を守るために戦うのではないのですか?」不思議そうに問う
夜白:「ふむ、私は見ず知らずの他人を守る為に戦うつもりは毛頭無いぞ。それに人一人が守れる範囲なぞそう広くわないしの。故に私は自分の“日常”を守る為にしか戦わぬよ」
心の中で(もっとも、これはシュウの受け売りじゃがの…)
光姫:「“自分の日常”ですか…………」 そう呟いて、空を見上げ
「私にとっての“日常”とは、何なのでしょうね……」 ぽつり、と囁いた
夜白:「うむ…今日も良い天気じゃ」同じく空を仰ぎ
「さて、の。それは自分で見つけるものじゃ。誰かに教えてもらうものではないしの」
光姫:「……………………」

その言葉に応えることなく。光姫は視線を人々に移し、ただ静かに見つめ続けていた……


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■オープニングフェイズ【朔風の支配者】
 久川 慎一 場所:久路洲市支部・映写室 時刻:午前 登場:不可
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GM:浸食率上昇をお願いします
慎一:(いっころ)31%

薄暗い映写室の中、ジジジ……という音と共に、スクリーンに映像が映される。
てってっ、てってー、てってっ、てってー♪
ス○イ大作戦のテーマが鳴り響く中、スクリーンの中の男が君に語りかけてきた。


OZ:「おはよう、慎一君」独特の調子で
慎一:「おはよーしぶちょー。今日は映画の中の人なんだー」びしっと挨拶。
OZ:「うむ、毎度毎度変身ばかりも芸がないと思ってね。趣向を変えてみた」
慎一:「うん、楽しいから好きだよーしぶちょーの変装」にこぉ
「で、任務ってなーに?」小首傾げ
OZ:「今回の任務だが」 そういって、映像が切り替わる
GM:スクリーンには白を基調とした和服に身を包んだ青年が映っている
OZ:「この男の名は“朔風の支配者”(Egiun)、夜白久陽(やしろ・くよう)。夜白一族という組織の若手ナンバーワン。超一級の実力者だ」
慎一:「ふえー。そういう名前なんだ。今まで一緒に仕事した事はあったけど名前は知らなかったなぁ」スクリーンを見ながらぼそっと
OZ:「年齢は20歳、性別は男性。シンドロームはハヌマーン/オルクス。容赦のない戦い振りに、悪魔の名で呼ばれるようになった恐るべき風使いだ」
慎一:「……ぼくは結構へっぽことか思われてるのかな」こっそり凹む。
「うん、この人がどうかしたの?」
OZ:「最近、彼の回りに黒い噂が流れている。どうやら、FHエージェントと接触を持っているらしい」
慎一:「FHエージェントと?」
OZ:「もともとOVの力を神聖視し、力のない人間を見下す傾向があったからね。FH側についても不思議はない。」
慎一:「うー、やな人だなぁ。エフェクト使えなきゃぼく達だってただの人なのにー」
OZ:「さらに、彼の人柄・実力に惹かれて、夜白一族の若手の多くが彼の下に集っている、という話もある」
慎一:「んー、それは困るんだろうねぇ。で、ぼくはどうすればいいの?」
OZ:「場合によっては大事になる……そんな緊張感溢れる状況で、彼がこの久路洲市にやってくるという情報を入手した。そこで君には、夜白久陽を発見し、その行動を監視してもらいたい」
慎一:「はーい、わかりましたー。がんばるね。従者も使えるから何とか出来ると思うし」
OZ:「うむ。それでは頼んだよ。なお、証拠を残さないため……」
慎一:「……?」顔が真っ青になる。<証拠を残さない
OZ:「この映写室は、1.5秒後に全焼する(笑)」
慎一:「きゃーひどいーしぶちょうのいけずー」めそめそ
GM:ピカッ――――――ズドォォォォォォォン
慎一:に、逃げていいですかってか映写室ごとかいっ!

……そして、静寂。
残ったものは燃えカスと、アフロ慎一のみ
「うえーん、アフロになっちゃったー。紅人に嫌われるー」
ぐすぐすめそめそする慎一。
…いや、アフロになったところで友人は嫌ったりせんと思うが。


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■オープニングフェイズ【暗躍する“智天使創者”】
 村瀬 尚 場所:久路洲市支部・支部長室 時刻:午前 登場:不可
+−−−−−−−−−−−−+
GM:浸食率上昇をお願いします

:(いっころ)35% まずまずでスね。

支部長室に入った尚が見たもの。それは一体のハニワだった。

OZ:「ハニー、待ってたよー」
:「こんにちは〜♪ お元気でスか?」
OZ:「元気元気、すっごく元気だよ。このみちゃんはー?」
:「元気でスよ? 病気してたらここに来れませんでス」
OZ:「そっかー。それじゃちょっとキツ目の仕事頼んでも大丈夫だね、ハニー♪」
:「可愛い支部長のお願いは、できうる限りききまスでスよ」
OZ:「じゃ、これを見てハニー」 ハニワは器用に懐から書類を取り出し、机の上に置く
:「うみうみ」覗き込む
GM:書類はUGチルドレンのデータですね
:「…チルドレンさん?」首かしげて
GM:日付を見ると8年前です。古いです。書類に添付してある写真には、君より若そうな女の子が写っています
:8年前、ね…(PLはわかっているようだ)
「女の子、でスか」
OZ:「FHエージェント“ケルビム・メイカー”。……元UGチルドレンだよ」
:「元?」
OZ:「8年くらい前に脱走しちゃってね。コードネーム“真理天使”(Djibril)、白鷺可奈江(しらさぎ・かなえ)。シンドロームはエンジェルハイロゥ/ノイマン」
:「脱走、でスか…ふうん? で。この人をどうスるので?」
OZ:「……優秀だったんだけどねぇ……はにぃ〜」 器用に溜息をつく
「うん、彼女ってば、最近いっぱい悪い事してるみたいなんだ」
:「ほむほむ、支部長さんより悪いことしてるんでスね」

 さり気にひどいことを言っている、尚であった。

OZ:「うん。いくら僕でも被験者の人権を無視した生体改造はやらないからねぇ。で、その彼女が久路洲市に現れたって情報を入手したんだ」
:「うみ。正義のためにがんばりまスよ」
OZ:「何を考えてるのか知らないけど、どうせ悪い事にきまってるだろうから、ハニーには彼女の企みを叩きつぶして欲しいんだよ」
:「了解しましたでス♪」
OZ:「じゃ、頼んだよ〜♪」 そういって、OZは後ろのドアから出ていこうとして…

:「で、必要な資料は終わりスか?」ハンマー手に練成
OZ:「うん、終わりだよハニー……ってナニかなソレッ!?」
:「ハンマーでスよ。見てわかりません?」
OZ:「わかりすぎるくらいわかる気がするけど、念のために確認……何に使うのかな、ハニー?」
:「人に物恃むのに、埴輪なんていうドふざけたモノで登場する人が悪いと、まあそういうわけでスよ」
OZ:「お助けぇ〜!!」 と、後ろのドアから逃亡しようとしますがw
:「『平伏せよ』」《黒の鉄槌》+《魔王の理》+《闇の鎖》+《冥界の檻》コンボ
OZ:「ぷもっ!?!」 地面にべたーんと張り付くハニワw
:「どこ、行くんでスか?」ニコニコと歩みよる。じゃ、おしおき♪」
GM:歩み寄る尚に対し、ハニワは観念したように仰向けになり……
OZ:「……優しく、シテね♪」
:「優しくも何もないでス♪」そしてハンマーを無慈悲に打ち下ろす。

ゴッ!

GM:ばりーん! と割れて砕けるハニワくんw

「さて、はじめまスかね…資料もらっていきまスよぅ」
資料を手に、粉々になった支部長(ハニワ)に見向きもせず、尚は支部長質を後にする。
「愛が……ハニーの愛が、イタイよ……」
ハニワの破片がそう呟いて、動かなくなった。