マスターシーン 【Sing in loudness.】
「はじまった、はじまった。断章は集まりだしたよ。この街は選ばれた」
両手を広げて少年は高らかに宣言する。
「それは以前も聞きました」
少女が即座に突っ込む。
「まあでも、UGNは一体どうやって断章の詳しい情報を得るのかな」
「さあ? 現状は断章を集めているのは我々だけでしょう? こちらから態々情報を漏洩することもないのでは?」
少女が首をかしげる。
少年のほうはふむ、と不思議そうに息を吐いた。
「そこなんだよね。UGNも何か関わってるのは判ってるみたいだし、それになんか知らないけどよくわからない組織が絡んでるような……」
「謎の組織?」
「そう、謎の組織。情報を集めてもなんというかよくこんなのUGNが野放しにしてたなあ、って言う感じで」
うーんと唸りながら少年は言う。
それに耳を傾けていた少女がふむ、と頷いて。
「なるほど」
「まあ、計画としては現状問題ないし、放っておいてもいいとは思うけど、その内邪魔になりそうな気はするなあ」
「杭は打っておいたほうがいいのでは?」
少女の言葉に、少年は唸る。
「……打ちたいのは山々なんだけど、何しろ実態がつかめないんだよね。やってることはわかるのに」
「そうですか。ではしばらく泳がせて様子を見るしかありませんね」

※オープニングは時系列順に行っています。
 
  オープニングフェイズ 【変化不快】
場所:陽の病室 登場:”ネペンテス”御堂 忍 不可
終了条件:退院する陽を見舞ってお話して終わり(端的)
 忍 :#1d10+37
ダイス:Shinobu:1d10=(2)=2+37=39
G M:というわけで少々描写を。
君の患者である小森 陽は病弱で定期健診を兼ねて、現在は数日の入院を余儀なくされていた。
そもそも定期健診というのも二つの意味合いがある。
一つは「病弱」であるが故の常に健康をチェックすること。
もう一つは、未覚醒のOVであるための監視であること。
無論、二つ目は本人には知らせていないが。
その陽に本日退院しても良いという知らせを彼に伝えるために病室を訪れていた。
G M:といった現状です。
 忍 :「陽さん、入りますねー」
 陽 :「はーい」
 忍 :ノックをし、一言断りを入れて病室の扉を開ける。
 陽 :「あ、先生。今日は何の検査です? そろそろ退院できるのかなあ?」
 忍 :「はい、そのことをお話ししに来ました。今日の具合はいかがですか?」カルテを手に、ほんやりと微笑んで。
 忍 :退院が可能と記されたそれに、ざっと目を通し、彼女の顔を見る。
 陽 :「ぜんぜん元気ですよ。これで病弱じゃなかったら100mだって今なら全力で走れそうですが」
 忍 :「それは良かった」と、頷いて。
 忍 :「100mも走ったら、僕だったら病弱じゃなくても息切れしそうです」かけっこは苦手なんです、と笑う。
 忍 :「そんな陽さんに朗報です」手近の椅子に腰掛けて。
 陽 :「そうなの? あー……運動神経鈍そうだよね、先生。思いっきり理系って感じ……え? なになに?」後半は乗り出すようにして。
 忍 :ストレートな感想に、がっくりと項垂れながらも。姿勢を正して。
 忍 :「今日で退院できますよ。頑張りましたね」
 忍 :はっきりと彼女に告げて、微笑んだ。この瞬間があるからこそ自分は医者であることができるのだと、心の底から喜びを感じる。
 陽 :「ほんと? わ、やったっ! 先生ありがとー!」ガッツポーズして
 陽 :「ね、先生。もうすぐ夕方になるし、仕事もしもうすぐ終わるなら、一緒に帰ろうよ」
 忍 :「あー……そうですね。大丈夫ですよ」
 忍 :シフトがどうだったかなと思い返して、大丈夫だったはずと頷いた。
 陽 :「ほんと? じゃあすぐに用意するね!」というわけで目の前でばたばたと用意をし始める。
 忍 :「風はまだ少し冷たいから、外に出る時には暖かい服を着込んでくださいね」
 陽 :「はーい。……あのね、先生」用意をしながらポツリと
 忍 :「はい?」椅子から腰を浮かそうとして、留まる。
 陽 :「えと、着替えるから、外で待っててね」
 忍 :「…………す、すすすすみません!?」カルテを取り落としそうになりながら、わたわたと立ち上がる。
G M:そうして慌てて外に出手待つこと暫し。
 陽 :「お待たせしましたー」じゃじゃーんとドアを開けて。
 忍 :薄手のコートを着込んで待ち。時計を見ようとして掛けられた声に振り向いた。
 忍 :「いえいえ」
 陽 :「じゃ、先生帰ろ帰ろー」ぎゅーと、うでにつかまる。
 忍 :あ、あれ……? とか思いつつも、本人がそうしたいようなので、そのまま外に出ます…(何)
 忍 :彼女の歩く速さに合わせて、ほてほてと病院を出て敷地を歩き、そして街中へと。
G M:しばらくだらだらと話をしていたが、道すがら、ある工事現場の横を通り過ぎた。
G M:工事現場の幌は頑丈に中の様子が伺えないようにその区域が覆ってある。─────その工事会社に君は見覚えがあった。
G M:UGNの関連会社だ。
 忍 :「足下に気をつけてくださいね」舞い上がった砂煙に軽く咳き込みながらも、何の気も無しに告げて、ふと。
 陽 :「ここも工事してる……」ふう、と溜息をつく
 忍 :そういえば、この辺りに何かを建てるとかいう話を聞いたことがあるなーと、思考の端に思い。
 陽 :「ね、先生。家とか病院にいてるとね、遠くでビルが建ったりしてるのが見えるんだ。それがね、なんだか寂しいんだよ」
 忍 :「そうですね」軽い同意と共に頷いて。
 陽 :「建物が建って、風景が変わる。同じように外に出て僕も変われたらいいのに。なんかこう、家に閉じこもって引きこもりみたいでさ。なんかいたよね、そういう虫。ひきこもりっぽい奴でさ、罠を仕掛けて落ちて来た虫食べて生きてるの」
 忍 :「アリジゴク…でしょうか?」
 陽 :「そうそう。─────僕ってそういう虫みたいだよね……」
 忍 :「そんなことないですよ」その比喩に、困ったように笑って、
 忍 :「見慣れた景色が少しずつ変わっていくのは…やっぱり寂しいことです。自分はこのままなのに、なんだか置いていかれるような」
 陽 :「だよね。さみしいよね。……時なんて止まってしまえばいいのに」
 忍 :僕も、そうだったので──と。呟き掛けて。
 忍 :「それも困ります」じっと陽を見つめた。
 忍 :「時が止まってしまったら、こうして、晴れて退院する陽さんと一緒に帰ることもできなかったでしょうから」
 陽 :「─────冗談だよ、先生。……別に、いつも通りなのに、何日も検査入院なんてみんな心配性だよねー」先ほどと打って変わってにこっと笑って
 忍 :「変わりゆくものを寂しく思いますが。僕は、今日を迎えられて嬉しく思っていますよ」にっこりと笑った。
 陽 :「そう? ありがとねー先生。……って言っても、どうせ来月また検査なんだけどー」
 忍 :「陽さんを大事に思っているんです。大人は心配性ですみませんね…」
 忍 :再検査、ということについては何の弁解もできない。今度は心底困りながらも、なんとか笑ってみた。
 忍 :「──っと。陽さんの家はこの辺でしたよね」
 忍 :電柱に記された住所表記に気づいて。
 陽 :「うん! 先生送ってくれてありがとー」ぱっ、としがみ付いていた腕を放して。
 忍 :「どういたしまして」
 陽 :「じゃ、先生、また来月ー」パタパタ、と手を振る。
 忍 :「陽さんもお疲れ様。何かあったら連絡してくださいね」
 陽 :「はーい」
 忍 :此方からも手を振って、彼女の姿が見えなくなるまで、その場から見送った。
G M:ではこちらから描写を一つ提示してエンドにしますね。
─────ふと、君は空を見上げた。
─────夕焼けに染まる空。そこには季節外れの薄葉蜻蛉が飛んでいた。
G M: 
G M:シーンエンド。
 
  オープニングフェイズ 【幌の向こうの砂漠】
場所:街中 登場:”考える人”久能 俊一、”災厄の星”元原 晴之 不可
終了条件:事件の開始を知る。
G M:登場宜しくです
晴 之:#1d10+32
ダイス:haruyuki:1d10=(7)=7+32=39
俊 一:#1d10+31
ダイス:Syunichi:1d10=(5)=5+31=36
G M:ではしばらく描写を。
UGNエージェントに前坂 清士という人物がいる。
元自衛官だった彼と君達は知り合いであり、また共に仕事をした仲間だ。
昨夜、その前坂 清士から不思議なメールが届いた。
貰った直後は、一体何を言っているのかよくわからなかった。
むしろ、反射的に思ったのは『元気にしているだろうか』等と言うことだった。
貰ったメールの内容は短く。
 
「薄葉蜻蛉に気をつけろ」
 
その翌日の今朝。
支部長代理、天城 美鈴から調査を頼まれ、今、君は街のあちこちに中を見られることがないように、それはそれは厳重に囲った工事中の幌が張られた場所の一つに向かっている。
その道中、美鈴に呼び出されたことを思い出していた。
美 鈴:「……頭の痛い事件が起きまして、調査をお願いしたいのですが……」こめかみを押さえつつ
俊 一:「今度は何処の誰が馬鹿をやらかしましたか・・・?」最初に疑うのは身内かディアボロスである。
美 鈴:「『やらかした』かどうかは、少しわかりませんが」
晴 之:「ただのFHとかではなさそうですね、その様子だと。」
美 鈴:「黒巣市のあちこちに奇怪な空間が発生しました。現地点で確認されているのは4箇所、各空間に被害者は各1人です」はぁ、と溜息をつく。
俊 一:「・・・奇怪な空間・・・?それと被害者って一般人ですか?」
美 鈴:「いいえ。全てOVです。─────一応生きているということですので、救出するために動いてほしいんですが……」言葉を濁す
晴 之:「そもそも被害者といっても、何が起きたんですか、その空間内では?」
美 鈴:「ありていに言えば───石になりました───としか」
晴 之:「・・・特定の空間内の物が、全て石化した、と?」
美 鈴:「全てというのは語弊がありますね。その空間内にいた人間が石化したんです」
俊 一:「モルフェウスシンドローム能力者なのでしょうかね。」
美 鈴:「それについてもさっぱり……としかいえないのが現状です。ちなみに被害者ですが……」
美 鈴:「UGNエージェント”ソニック・カース”前坂 清士、UGNのチルドレンの”凍える華”清澄 零華、UGNの協力者で”蒼茫たる世界”神無月 冴、……(こめかみを押さえて)FHエージェント”ディアボロス”春日 恭二……はぁ〜〜っ」後半(特に一番最後)は深々と溜息をついた。
俊 一:「・・・・・ディアボロス今度は何をやらかしましたか・・・。」既にディアボロスのせいにしかけている
美 鈴:「それについてはコメントを差し控えます。が、一応被害者として現在は管理してますが」
晴 之:「前坂 清士? 彼もですか。そういえば、昨日妙な手紙が彼から届いていたのですが。」
美 鈴:「へんな手紙とは?」
GM注:『手紙』と言うか、携帯メールみたいなああいうイメージです。はい
晴 之:「曰く、『薄葉蜻蛉に気をつけろ』とだけ。」
美 鈴:「……? 何かの隠語でしょうか……」ふむ、と考え込む。
晴 之:「石化現象を起こした者のCNでしょうかね?」
美 鈴:「かも知れませんね。一応報告として受けておきます」
晴 之:「ところで、被害者の現在の生命状態は・・・」(びくびく
美 鈴:「心拍については確認されていますが……いつまで持つかは」首を振る
晴 之:「時間の猶予はない・・・ですか。了解です。すぐに現地調査に向かいます。」
美 鈴:「申し訳ありませんが、とりあえず貴方方には現場に急行してください。また、手の空いたイリーガルやエージェントをさらに派遣します。決まり次第連絡しますのでそれまでは二人でお願いします」
俊 一:「了解です。支給解決の為に動きます。・・・ディアボロスはともかく、身内を石のままにしておくわけにもいきませんから。」
美 鈴:「すみません。宜しくお願いします」
─────時は夕刻。
─────窓の外を見ると、そこに季節外れの薄葉蜻蛉が飛んでいた。
G M: 
G M:シーンエンド
 
  オープニングフェイズ 【調査指令】
場所:UGN黒巣支部 登場:”傍若無人”逢杜 玲 不可
終了条件:事件の依頼を受ける。
G M:登場どうぞー
 玲 :#1d10+39
ダイス:Rei:1d10=(8)=8+39=47
 玲 :ヒィ。
G M:ハハハ
前回(火蜥蜴は龍になる夢を見る)でも、第一回登場時も同様に大きい目を出して悲鳴を上げていた……そういう星の元なのだろうか。
G M:で少々描写を。
夕食を食べ終わったころに天城 美鈴に呼び出されて支部長室に来た君は、先客と挨拶を交わすことになる。
”電子の女王”真殿 壬緋だ。
ちらりと君を見て、微かに眉を顰(ひそ)めた。
それは君だけしか見えなかったし、一瞬だったので見間違いかもしれないと思う程度のものだったが。
美 鈴:「貴方方を呼び出したのは他でもない、ある事件について応援として手伝ってほしいからです」うーんと、こめかみを押さえつつ。
 玲 :「謎の石化事件……アレか」
美 鈴:「……情報早いですね……猫ですか?」苦笑して
 玲 :「今回ばかりは蝙蝠だった」平然と答える。
美 鈴:「流石ですね……まあそれなら話は早くて説明するのも楽でいいですが」そういってさっきのシーンのことを説明しますね
 玲 :「成程。現在ディアボロスが何かやらかして自爆の巻き添え食った可能性もあると」
美 鈴:「率直に言うとそうといえるかもしれませんが……少しオブラートに……」
 玲 :「ともかく、まだ死人が出てないが今後出る可能性もあるわけで」
美 鈴:「ええ。状況は芳しくありません。ですから、この件は至急、という扱いになっています」
 玲 :「了解。家族増えたんでこっちも仕事が欲しかったところだった」依頼受諾のサインを。
美 鈴:「助かります。”考える人”久能 俊一、”災厄の星”元原 晴之の二人を派遣しましたが、多分それでも人手が足りないでしょう。申し訳ないのですが、おねがいします」
 玲 :「あー……」そろそろ胃薬飲む頃だな俊一、と思いつつ。
G M:まあ予想通り今頃飲んでるかと思いますが。
G M:以降、シーンが変わりますが、継続で
 玲 :はいなー。

G M:二人同時に退室した直後、壬緋が毒づいた。
壬 緋:「何が起こっているんだろうね、本当に。……とっとと解決しよう」
G M:といった直後になんかぶつぶつと壬緋が毒づいてます。知覚で判定したら聞こえたりするでしょう。多分
 玲 :じゃあやってみるか。
 玲 :#1r10+1
ダイス:Rei:1r10=(1)=あ゛!?
G M:……
G M:なんか毒づいてんなー
G M:以上で。
 玲 :うん、ネタになった。
G M:まあ、そうこうしながら共に支部から帰る帰り道。
G M:季節外れにも薄葉蜻蛉が飛んでいた。
G M:夜道を歩きながら、真殿 壬緋は掛かってきた携帯電話で誰かと会話をしていた。
壬 緋:「……とりあえず先日の”件”についてはデータファイル送っておいたから。
解除キーはいつもの通りで。
ああ、それから本職が入ったからしばらくそっちに行けそうにないよ。
─────うん。多分そうだと思う。
……そっか。解った。そうしとく。
態(てい)の良い雑用係だね、僕。─────そう。まあ今のところその言葉は信じるけど。
え? そりゃあだって、今のところは貴女の言ってることは行動と反してないからね。
だから今のところは信じることにしてる。
それに、今は約束守ってくれてるし。
それじゃ……」
G M:って感じで携帯電話を切って立ち止まった。
 玲 :「……まだ1,2ヶ月先だよなぁ、羽化するのは」
壬 緋:「何が?」
 玲 :「ああ、早起きしたカゲロウが飛んでた」ただ、それだけだと言い。
壬 緋:「へー……」と、壬緋は空を見上げかけて、足元を慌てて凝視する。
 玲 :「どうした?」
G M:その瞬間、周囲が《ワーディング》に包まれた。
 玲 :「――!」
G M:足元を見ると、壬緋の足の足首から下が砂に埋もれていた。
G M:彼女を中心に、徐々に擂り鉢状に広がっていく。
 玲 :「モルフェウスか!」引きずりだせませんか?
G M:ええ、出せますよ。
G M:でもその手を伸ばす君につかまって、壬緋は叫びます。
壬 緋:「”黒囁”!」視線は玲君の後ろ。
 玲 :壬緋の手をつかむと同時に飛びながら距離をとって着地する。
G M:君の傍らには”白囁”と呼ばれた少女も。気がつけば世界は君を中心に白と黒に分かれていた。
G M:壬緋が”白囁”に目をやって、何かに気づいたように顔を上げた。
壬 緋:「”傍若無人”」
 玲 :「なんだ」
壬 緋:「悪いんだけど、僕を抱えてこの場から逃げて」
 玲 :「ああ、手、離すなよ!」
壬 緋:「宜しく」
G M:そういって君たちはその場を離脱しました。どうやら深追いはしてこないようです。
 玲 :壬緋を抱えたまま屋根伝いに飛んで逃げる。
G M:微かに。
G M:小さい羽音が大量に聞こえた気がしました。
 玲 :「……ジャームの姿は見えなかった。この前みたいに人間じゃないってのか?」どうやら一回り厄介な事件に首を突っ込んだようだと、舌打ちをし。
 玲 :エリュシオンへと急いだ。
G M: 
G M:シーンエンド