エンディングフェイズ 【復帰】
場所:黒巣支部”エリュシオン” 登場:”考える人”久能 俊一、”災厄の星”元原 晴之 不可
G M: 支部長代理、天城 美鈴の前には報告に来た君たちと、もう一人が立っていた。
前 坂:「”ソニック・カース”前坂 清士、ただいま戦線復帰いたします」
G M: ビシ、と敬礼する姿は、以前自衛官だったというから、流石に決まってる。
美 鈴:「そう固くならずに。今回の件については致し方ないというしかありません。報告書も見ました」
晴 之:「お久しぶりですね、前坂さん。まずは無事回復されて何よりです」
前 坂:「ああ、君達には迷惑をかけたな。済まなかった」
俊 一:「お久しぶりですね。・・・まぁ、奴らは事情を考えてくれませんから。」
美 鈴:「今回も断片……ではなく”断章”でしたか、あれの仕業だということが判っただけいいでしょう」はあ、とこめかみを押さえて
晴 之:「あんなものが最低でも残り10以上あって、今回のような事件を起こすと考えると・・・胃が痛くなってきました」
美 鈴:「ふ……ふふふふ。知っていますか、事務方の貴男より、上に報告する私のほうがずっと心労が耐えないことを……」
G M: プルプルと肩を震わせて
俊 一:「胃と頭の薬が欲しくなりますね・・・。」
晴 之:「・・・心労はイージーエフェクトで解決できませんからね・・・」(何
G M: まあその会話を前坂は『色々事務方は大変だなあ』といった顔で見守り。
美 鈴:「ともあれ」気を取り直すように
美 鈴:「―――――女性の件も気になりますが、これも仕方ありません。あまりに情報が足りなすぎます……まったくほんとに困ったものですよ」
晴 之:「彼女のメンタルケアに関しては、御堂さんにお任せするしかないでしょう」
美 鈴:「そっちの方は既に手を回してあります。ホワイトハンドから応援が来てるとのことでした」
俊 一:「僕らは基本的に後手に回るしかないですからね・・・。」
晴 之:「せめてこちらであの断章を入手できれば、それを材料に彼らと取引なり情報交換なりできたのですが・・・」
美 鈴:「まあ、断章は一つあるといえばあるんですが……あれもまだ謎がたくさんありますから」
美 鈴:「Rラボから応援が来ていて、それはそれは嬉々として調査してるそうですけど、遅々として進まないそうです……ああ、引っ掛けて行ってるわけじゃないですからね」
晴 之:「早めに解明して欲しいものですね。」
美 鈴:「ええ。彼らの手腕に任せるしかないのですよね、今は」
前 坂:「なんといったか、あの断章を持っていった女性とやらがここに来て説明してくれるというなら話は別なのだろうがな」
俊 一:「どうでしょうね。奴も怪しいものですが。」ものっそい棘のある言い方です
美 鈴:「何が起こっているのか全然わからず、なんといいますか、腹立たしく感じますね」
美 鈴:「ともかく、皆さんお疲れ様でした。2日ほどですけど休暇を出しておきましたのでゆっくり休んでください」
俊 一:「休暇・・・何ヶ月振りでしょうか・・・。」急に休暇のお知らせが来ても、そのなんだ。 困るという表情
晴 之:「普通に休むなり出かけるなりすればいいと思いますが。では、失礼します」そういって、支部長室を先に出て行く。
G M: 前坂さんも、ビシッと敬礼して『失礼します』と出て行きました。
俊 一:「それでは、僕も失礼します。あぁ、それと今月、赤字一歩手前ですので対策を早急に立てたほうがよろしいかと。」そして退出
美 鈴:「ええ!? ちょっと、またですか……」そんな溜息を背にみんな退席しました。
G M: 
G M:シーンエンド。
 
  エンディングフェイズ 【小森 陽のその後】
場所:病院 登場:登場:”ネペンテス” 御堂 忍 不可
彼女は、目が覚めると自分に起こっていた事を何一つ覚えてはいなかった。
それは彼女にとって幸せなことだろう。
そう、幸いにもあんなことがあったのに、OVとしては完全に目覚めることはなく、ただホワイトハンドの研究員曰く、「彼女の身体の不調は急速に回復しつつあるが、いつOVとして目覚めてもおかしくない」ということだった。
現在、彼女は病室で眠っている。
 忍 :コンコン。軽いノックの音には返事が無かったので、小声で一言断りを入れて細くドアを開けて中を覗いた。
 忍 :「……失礼しますね」起こさないよう静かに、室内に入って。
G M: まだ目を覚ます様子はないですね、まあ、朝に一度起きてそこからまた寝ているようです。
 忍 :その辺の椅子に腰掛けて、カルテに記された内容を、もう一度目を通した。
 忍 :レネゲイドウイルスは20年前から世界中に拡散し、現在では人口の殆どがキャリアーであるといわれている。
 忍 :発症の可能性は彼女に限ったことではない、と。簡単に割り切れるといいのに。
 陽 :「ん……」
 忍 :こっそりと、苦笑した。
G M: そうしてると目を覚ましたようです。
 忍 :「おはようございます」
 陽 :「あー。先生おはよー」
 忍 :ほわんと微笑みを投げかけて、じっと彼女を見る。
 忍 :「今朝のご機嫌はいかがですか?」
 陽 :「ぜんぜん元気だよ? なんか昨日の晩貧血起こして倒れたって聞いたけど」
 忍 :「ええ。軽い脳挫傷……打ち身があったようですが」視線をカルテに落とす。無論、そんな事は記されていない。
 陽 :「あー……それで頭にこぶがあるんだ?」
 忍 :「痛みはもうありませんよね。打ち身は、若いからすぐに直ります」
 陽 :「そっか。じゃあ明日には退院できるのかな? 先生」
 忍 :「ただし、貧血は要注意ですね。また、何度か検査に来ていただくことになりますが……はい。退院は明日にでも」
 忍 :小さな嘘に、ちくりと心が痛んだ。
 忍 :問診を記入して、軽くペンでバインダーを叩く。
 忍 :「……陽さんは、アリジゴクを見たことがあるんですか?」
 陽 :「うん、あるようー? 昔ね、お寺の境内の端っこで」
 忍 :「寺の軒下とかにいましたよね。僕も、小さい時にはよく観察していました」
 陽 :「なんか、誰かがいってたんだよね。あれこそ生物界の引きこもりだって……誰が言ってたんだったかな」
 忍 :「巣を崩して見たこともあります。大きなハサミの付いた顎も、良く見れば、けっこうかわいいものです」
 陽 :「え、あれけっこうグロくない?」笑いながら
 忍 :「そう。二年くらい地中に居るんです。セミほど長くはありませんが」
 忍 :「あ、あれー? そうかなあ」軽く笑いながら、頭を掻いて。
 陽 :「そうそう。でね、ウンコしないんだってね、あの姿では」
 忍 :「羽化する際に、まとめて脱ぎ捨てるんですよね」頷いて。
 忍 :ダイレクトな表現に苦笑しつつ。
2010年に蟻地獄は排泄をするとある小学生が発見しました。
その前にこのセッションを収録した為、反映されていません。
 陽 :「ボクもそうやって変われるかなあ」ぽつりと
 忍 :「もちろん」間髪を入れずに答えた。
 忍 :「アリジゴクは、羽ばたく日に備えて、砂の底で懸命に生きています」
 陽 :「うわ、力強いな。じゃあ、ボクも頑張らないとね」
 忍 :「それを引きこもりというのは、ちょっと可哀相ですね」
 陽 :「え? あれって所謂ニートじゃないの? ご飯振ってくるの待っててじっと動かないし」
 忍 :「待つのもけっこう大変なんですよ」
 忍 :「巣作りも重労働です」
 忍 :「──ま、まあ。ともあれ」こほんと咳払いをして。
 陽 :「うん?」
 忍 :「アリジゴクがウスバカゲロウになって遠くへと羽ばけるように、これから先、陽さんが成長していくにつれて、行ける所もたくさん増えてくるでしょう」
 忍 :「今はまだ出歩くのも大変でしょうが、陽さんはこれから健康になれますよ。病弱だった僕が保障します」
 陽 :「先生も病弱だったの?」
 忍 :「ええ」
 陽 :「そっかー。じゃあボクも先生みたいなお医者さんになろうかなあ」
 忍 :「頑張ってください。望むなら、叶えられます」柔らかく微笑んで、彼女の頭をなでなでする。
 陽 :「ありがとー。先生。ボク元気になるよ」
 忍 :「友達も、たくさん作れますよ。君が望むだけ」微笑んだまま頷いた。
 忍 :「それじゃあ、次の患者さんが待っているから」
 忍 :椅子から立ち上がって。「体の具合が変だと思ったら、いつでも来てくださいね」
 陽 :「はーい。じゃあもう一眠りします。なんだか眠くて」
 忍 :「はい、おやすみなさい」
 陽 :「おやすみなさいー」そういうとすぐに寝息を立てます。
 忍 :彼女にそっと毛布をかけて、その上から軽くぽんぽんと。
 忍 :──目覚めた世界は、彼女にとって“佳き世界”となるだろうか。
 忍 :分からない──まだ。
 忍 :せめて、陰ながら見守っていこう。それが医者としての僕の在り方だから。
 忍 :そう思いながら、静かに退室し、病室の扉を閉めた。
G M: 
G M:シーンエンド。
 
  エンディングフェイズ 【公園の魔女-夕方編】
場所:公園 登場:”傍若無人”逢杜 玲 不可
夕方の見回り(猫的な意味で)で公園を訪れた君。
そこに真殿 壬緋がやってきた。
壬 緋:「ここにいるって聞いてね。いやほら、あんまり役に立てなかったからお詫びにとおもって」そういって手にした紙袋を差し出す。

中身は猫缶だった。
 玲 :「ありがとう」
 玲 :素直に受け取っとく。
壬 緋:「普通にお菓子より喜ぶかとおもって」
 玲 :「正解ではあるな」
 玲 :缶詰に爪を立て、《吠え猛ける爪》でパカっと開ける。
 玲 :「ほーらご飯だぞ―」
壬 緋:「缶きりいらずになったね」
G M: 猫たち「にゃー、ごはんだみゃー」「ごはんだにょー」「ごはんですー」「にゃー」と集まってくる
 玲 :「ブチ切れるとパワーアップするタチなんだよ、ガキの頃から」
 玲 :持ってきた皿に盛りつけて与える。
壬 緋:「ふうん……」
壬 緋:「しかし、今回の事件なんだったんだろうね……」
 玲 :「考えるだけアホらしい。グダグダ悩むよりはなるように任せた方がいいんだよ」
壬 緋:「まあそうだけどさ……」
 玲 :「どうせ最終的には自分を神だのなんだのって図に乗った馬鹿を殴り殺す展開を迎えるに決まってる」
壬 緋:「……それは経験則?」
 玲 :「そんなとこだ」
壬 緋:「ふーん」
? ?:「そこにいるのは玲君?」ふと声がかけられる
 玲 :「どーも」
G M: 声をかけてきたイリシャは、今日は一人ではない。
 玲 :ここ最近この公園の主になった女性に挨拶を。
G M: 彼女を引率するように一人の青年が付き添っていた─────七貴 智だ。
イリシャ:「こんにちは」
 玲 :「……猫缶ならないぞ」(何)
七 貴:「食うか!」
イリシャ:「あら、お知り合い?」
 玲 :「一応は」
七 貴:「知り合いというほど知り合いたくないですけどね」
イリシャ:「あら、そうなの? 奇遇ね。ふふ、玲君、彼ね、お店を手伝ってくれてるのよ」
 玲 :「七貴――バ イ ト 先 追 い 出 さ れ た の か」(何)
七 貴:「あのな、俺は一人暮らしだから、掛け持ちでもしねえと生活苦しいんだよ」しれーと。
 玲 :「給料安いんだな、“狩人”(あそこ)」
七 貴:「どっかと違って、稼げてませんから」ぺっと
 玲 :それはともかく。
 玲 :「どーもそっちの偉い人には嫌われたみたいだな、俺」七貴に対して。
七 貴:「そうか? なかなかほめてたけど」
 玲 :「そんなもんかね」
七 貴:「まあ、がんばれってさ」
 玲 :幹部連中が不敬だ無法者だ傍若無人だと騒いでる絵を思い浮かべて、バッテンで消す。
七 貴:「さてと、イリシャさん、もう日が暮れますんで帰りましょう」
イリシャ:「そうね……じゃあ玲君、またね」手を振って
 玲 :「それじゃ」軽く手を振って。
壬 緋:「へー」二人を見送りながら
 玲 :「……偶然かね?」
壬 緋:「美人だなー……ってなにが?」
 玲 :壬緋に向き直る。
G M: きょとん、と壬緋は玲君を見てる。
 玲 :「ゴーグルはしてなかったが、雰囲気は似てるんだよ。なんとなく」
壬 緋:「だれに?」
 玲 :「モルフェウスの断章を持っていった女に」で、そんな人物に“狩人”の一人がついていた。
壬 緋:「ああ、ゼロって名乗ってた……そうかな? あっちはどっちかというとボインでたゆーんって感じだったけど……こっちどっちかというと、清楚だよね」
 玲 :「ま、予測の域も出やしねぇ単なる勘違いかもしれないがな……っと、そろそろ帰るか」
壬 緋:「じゃ、僕も帰るよ。渡すもの渡したし」
 玲 :食べ終わってねぐらに帰るにゃんこを見送って。
 玲 :「気をつけてな」
壬 緋:「ほんと猫馬鹿だね」 笑って、歩き出す
 玲 :同じく、家路へと急ぐ。
 玲 :池の上に映る夕日をリノリウムの床代わりに、水面をてくてくと、悠然と。
G M: 
G M:シーンエンド。
 
  マスターシーン 【Installation trap】
「これなーんだ」
少年は手にした二つの紙の束を嬉しげに少女に見せた。
「……? なんですかこれ」
首を傾げてその白い束を見る。
紙には何も記されておらず、ただ真っ白だ。
「ふっふーん。ブラックドッグとソラリスの断章なんだなー」
少年は得意げに言い、そして次の瞬間に肩を落とした。
「ただ、ちょっとまだ眠ってんだよね」
「眠ってる?」
少女の問いかけに少年は答える。
「そ、サラマンダーやモルフェウスは街中であれこれ活動してたろ? あれは断章が覚醒して力を溜めて元の姿に戻ろうとする前段階の状態なんだよ。あれらはオーヴァードの持つ生命エネルギーを餌にしてるんだなぁ」
「元の姿……?」
「断章がどうして”断章”って呼ばれるか判る?」
「……つまりその断章を収める”本”があるということですか?」
「うん。あるはずなんだよ。場所はわからないけどね。……本来、断章たちは力を溜めてその本に集まる性質を持ってるはずなんだ。言ってみれば、本が家で、断章はその家の住人みたいなものだからね」
「そうなのですか」
「で、この僕が持ってる断章なんだけど。うまく活動状態にさせないことには”本”に戻れない、このまま放って置いてもそのうち”本”に呼ばれて戻るっちゃ戻るけど時間がかかりすぎる」
ばさばさ、と手にした紙束を振る。
「どうするんです?」
「無理やり覚醒させようかと。さっきも言った通り、オーヴァードの持つ生命エネルギーを餌に活動をするんだ。―――――同じシンドロームを持つにオーヴァードに埋めるとね……というか埋める場合は同じシンドロームを持つものでしか埋めれないんだけど……そいつの生命エネルギーを餌に力を蓄えるはずなんだよねー。理論的に」
「……埋める相手はいるのですか?」
少女の問いににんまりと少年は微笑んだ。
「まあ、当てがないと言うわけじゃない。……幸い、最近になって”王”の名を冠するようになってた。利用する手はないね」
「なるほど。彼女ですか。しかも彼女を利用するともれなく彼も釣れそうと……抜け目ないですね」
「まーねー」
クック、と少年は哂った。
  Double+Cross The 3rd Edition
 『黒と白と症候群 −薄葉蜻蛉が見上げる空−』
END