DOUBLE+CROSS THE 2nd EDITION リプレイ

『眠り姫は夢を見ない』


2007/02/03
ゲームマスター:だいち
プレイヤー:比良坂/久流/籠乃(敬称略)

キャラ紹介 オープニング ミドルフェイズ1 ミドルフェイズ2
ミドルフェイズ3 クライマックスフェイズ エンディングフェイズ 後話

■オープニング■
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オープニングフェイズ 【紅い海の中で】
”時指す双剣”天道 勢太・裕太 場所:夢の中 登場:不可
終了条件:悪夢を見て目を覚ます
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天 道
:#1d10+34
ダイス
:tendo:1d10=(3)=3+34=37
足元に広がるは紅い海。
紅い海に沈むは自らの片割れ。
目を上げると、一人の少女が立っていた。

少女は無垢な瞳で語りかける。
「貴方は『誰か』の代わり? 『誰か』はそのヒト?」
倒れる勢太を指差して
「貴方はそうして『誰か』のもう一人でなくなるの?」
天 道
:「…勢太っ。」動揺を隠そうともせず。
G M
:自分の手が真っ赤に染まっていた。
天 道
:「…お前、何言って……。」はた、と己の手を見る。嫌な感触。
 「……違う。…俺は………。」そんなの望んでない。少女を見る。
少 女
:「其れはあなたが望んだこと。『誰か』のもう一人でなくなるように、自分が『原型』となるための」
天 道
:「違う。違う違う違う!……俺は、僕は…生きたかった、から…。」
何度も頭を横に振る。勢太に手を伸ばそうとするのに、どうしてか届かない。
少 女
:「深層の中の望み。貴方達はお互いがお互いの代わりだから。だから貴方は『オリジナル』になりたいの」
 「貴方は、紅い海に染まる。紅い海に沈む」にい、と口だけが嗤う。不気味な三日月。
天 道
:「…違う。…勢太が生かしてくれてる、から…僕は………。」ぞくり、と走る悪寒。動けない。
G M
:パシャりと音がした。足元で。見ると、紅い海から腕が伸びる。寄りすがるように服の端を『誰か』が握っていた。
 ぼんやりとした見慣れたその顔。
天 道
:「――!!」息を呑んでそちらを見る。
勢 太
:「―――そうして、僕を、殺すの?」
天 道
:「……僕は、勢太を………。」違う。
守りたかった。はずなのに。
 「―――っ、せい………!!」
天 道
:「…た。…裕太。どうした。」
G M
:二人覗き込んでいた少女が驚いた顔をして半歩後退する。そばで様子を見ていたらしい。
天 道
:目が醒める。片割れがそこにいる。相変わらず眠たそうな顔をして。
G M
:夢で見た少女と印象は違えど同じ顔だ。二人を心配そうに見ている。
天 道
:「……は……え…?」
 「…どうした。」呆然とする裕太と、問いを繰り返す勢太。
少 女
:「あの、大丈夫? 研修、終わったけど」きょとんと見ている。
天 道
:ん、後ろで見てる少女は誰か分かって良いのかな。
G M
:うん。わかっていいよ。ちょっと印象違うかな、って言う感じだけど
天 道
:「研修…?」
 「……ああ。済まない。少し安定しないようだ。」裕太は首をかしげる。なんとなく嫌な記憶があるが、振り払うように頭を振って。
G M
:UGNのチルドレンを集めた研修会に参加していたことを思い出す。たしか最近起こっている事件について注意と勧告と…そして報告があったはずだ。
天 道
:「……あんた、誰、だっけ?」
 「……。」裕太は少女に問う。勢太はその背を撫で。
少 女
:「ああ。わたし、”蒼天の子守唄”雪菜 姫花。君達、”時指す双剣”の天道 勢太と裕太兄弟よね?」
天 道
:「そう、だけど。」
 「……弟は大丈夫そうだが。そっちは何か、用件があったか。」
勢太も実は知らなかったぽいが普通に対応しておくぜ!(何)<姫花
姫 花
:「ううん? 単に…みんな部屋を出たのに、二人で残ってるから。大丈夫? 今日の話、覚えてる?」寝てたのを知っているので確認してみる
天 道
:「ええと…。ごめんあんま覚えてない。」
 「……できれば教えてやって欲しい。」頭痛を堪えるように頭に手をやる裕太。
姫 花
:「ええっとね。黒巣市のチルドレンたちへ業務連絡は…黒巣市支部長代理、天城 美鈴は現在休養のため、代理として久路洲市から支部長が派遣されている。暫らくは彼の指示に従ってほしい、ってことと」手元に小さな手帳を手にとってメモをした内容を読み上げる。
天 道
:「支部長代理、居ないんだ。」
 「…。」
 「事件とかなんとか、言ってた気がしたけど…そっちは?」
 「…。」勢太は黙っている。
姫 花
:「あとね。『ナイトメアシンドローム』と呼ばれる現象が起きていて、現在対処法を模索中。どう注意すればいいのかは不明だけど注意しろって」
天 道
:「ナイトメアシンドローム?」
 「…不明だが、注意。か。…難しい話だ。」
とりあえず了解、と頷いて。
姫 花
:「じゃあ、わたし『妹分』を探さないと駄目だから、これで。眠いのは解るけど、こんなところで寝てると風邪引くよ?」くる、と回ってひらひらと手を振る。
天 道
:「分かってるよっ。…俺だって寝たくて寝てたんじゃないやい。」
 「…本当に、平気なのか。」姫花を見送りつつ。
姫 花
:「ああ。そうそう。わたしと同じ顔の女の子見つけたらわたしが探してたこと伝えてほしいんだ。名前は愛花っていうの。じゃねー」そういって部屋を出た。
天 道
:「平気。ちょっと夢見悪かっただけだよ。」
 「…そう、か。」やや機嫌悪そうに呟く裕太。勢太はあまり動じた様子はなく。
天 道
:「…同じ顔。ね。あっちも双子かなんか…かな。」
あーもー、後で売店行こ。とか呟いて部屋を出る裕太。
 「………。」勢太もそれに続いて出て行く。何事か考えているような、ただボーッとしているような顔をして。
 「……くそ、嫌な夢だ……。」苛々と、呟いた。



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オープニングフェイズ 【悪夢と少女】
”牙狼の王”久継 駆穂 場所:夢の中 登場:不可
終了条件:悪夢を見て目を覚ます
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駆 穂
:#1d10+40
ダイス
:Karuho:1d10=(3)=3+40=43
駆 穂
:43%。
ずいぶん昔の話だ。
今ではない昔の話。
忘れはしない。

気がついたとき、『現在』の自分が返り血を浴びて少女の前に立っていた。
物言わぬ骸が沢山目の前に転がっている。知っている―――これは夢だ。時折見る夢だ。
G M
:という感じで君は現在夢を見てます。
その中で一人の少女が君の前に立っている。血みどろで、真っ赤に染まって。
駆 穂
:「────」夢、だな。
少 女
:「夢の中で、何度も殺すのね」その少女には見覚えがある。自分とよく似たその人物。
駆 穂
:「そうだね」
静 流
:「罪悪は何処? ヒトであったものを、ヒトを。殺すのは楽しかった? わたしを手に掛けたとき、楽しかった?」薄っすらと笑みを浮かべて
駆 穂
:ココロの深遠で小さく小波が。そうだ。夢だ。だからこそ。この人が存在する。
 「────」
 「いいや」
 「ただ悔しかったのは良く覚えている」
静 流
:「其れは、自分の未熟から、力なく失うことに対して?」
 「心を押し殺して我慢して。誰にも頼らず生きていくことを選んで―――貴男は何を望むの?」君を見る。
その目は光を宿さず、ただ淡々と君を責めた。いや、責められているように感じるのは、君が罪悪を感じているからか。
駆 穂
:「────」
静 流
:「今度はどうやって殺すの? ナイフ? それとも銃? それとも―――」歩み寄り、血みどろになった彼女の手がぬちゃり、と君の手に触れる。
その手を取って、自らの首へと導き。
駆 穂
:微かに”久継 駆穂”自身は怯えを抱いて。だが”牙狼の王”は──その痛みをも『拒絶』する。
──殺せ。
静 流
:「首を絞めて、殺す?」にぃ、と口だけを開いて嗤った。
駆 穂
:ぎしりと。実感があるだろうその己の痛みを踏破して。
無手にて姉をくびり殺した。
G M
:口だけが不気味に三日月に開いて、其れが強く印象に残る。―――途端、声が上がった。
駆 穂
:嗤いも受けて。
???
:「――っく…ん!!」聞き覚えのある声が君を現実へと引き戻した。
駆 穂
:まどろみから戻れない。
G M
:そばに誰かが立っている。君は右手を前、つまり中空へと伸ばし、覗き込んでいた人物の首を強く握っていた。
駆 穂
:「────…すまない」
ゆるりと。手を離し。距離を取る。
G M
:翡翠のような瞳をぎりぎりまで見開いて、必死に脚に力を入れて、わなわなと震えながら「ひゅーひゅー」と過呼吸になって呼吸が乱れていた。―――真殿 壬緋だ。
手を離すと、途端、ずるりと体が崩れ落ちて、床にしがみ付くように背中を丸めた。
駆 穂
:これは彼女の傷(トラウマ)だ。
G M
:息を詰まらせ脂汗を浮かべ、半分悲鳴のような声を上げながら喉をかきむしり必死に肺が酸素を求めていた。それでも尚、何かを伝えようと涙を浮かべた目で君を見上げる。時折、げほげほと咳き込んで。
壬 緋
:「ごめ…勝手にあが……って」少しずつ、呼吸は収まりつつあったがそれでもまだ息は荒い。
駆 穂
:”己の道に無関係で善意の手を差し伸べた人も巻き込んで。屍積み上げる気か! 駆穂”
”もっと私を頼ってよ久継”
──自分『だけ』がこの痛みを継いだのではない。『久継』として、だ。自分を友と言った彼女を巻き込むな。久継 駆穂。
壬 緋
:「…駆穂、君?」不安げに目を上げる。ずいぶんと発作はおさまっていた。まだ多少肩で呼吸をしているものの会話が成り立たないほどじゃない。
駆 穂
:「──……」膝を折り。無言で手を差し伸べる。
謝罪も悔悟も本当に必要なのだろうか。
G M
:少し戸惑って、壬緋はその手を取った。そして、いつもの元気はないままに、一言ぽつりと。
壬 緋
:「勝手に上がって、ごめんなさい。携帯も、インターホンも何度も鳴らしたのだけど」
駆 穂
:「────そのことで怒ってるんじゃない」
壬 緋
:「……何か、ボク他に気に障ることやった?」
駆 穂
:「逆だ」
 「僕自身の傷を見せた事が許せない」
壬 緋
:「え? ―――ああ。其れって恥ずかしいこと?」
駆 穂
:「微妙に違う、がね。──大丈夫かい」
壬 緋
:「乗り越えたつもりで、抱えたままの傷なんて沢山あるとおもうし…―――うん。ちょっと驚いただけだから」
「そうじゃなくて……あの、ここに来た用件を言わないと…」はた、と気が付いて、まっすぐに駆穂を見る。
駆 穂
:「ああ」
壬 緋
:「助けてほしいんだ。みんなを」


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オープニングフェイズ 【眠り……姫?】
”八房”三峰 楓太 場所:病院 登場:不可
終了条件:見舞いだ。つまり…
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楓 太
:#1d10+31
ダイス
:fu-ta:1d10=(7)=7+31=38
楓 太
:うゅ、38%〜。
辰上 皐月。ちょっとへんな友人である。
はっちゃけ元気でちょっとオタク。そんな彼女にはいつも振り回されてる感じはしなくもないが、かといって放置するわけにも行かない。
先日行われたUGNの講習会で妙なことを聞いた。
『ナイトメアシンドローム』ぶっちゃけいうなら『集団睡眠』。原因は不明だが、其れに関わってるのは確かだと思う。
楓 太
:きょろきょろ。皆に教わって、お花持って、皐月のお見舞いに。
病院の受付で、看護婦のおねーさんに部屋の番号を聞いて。薬品の匂い。あんまり好きじゃない。
 「えっと、すみませーん。辰上皐月、さんの、病室ってどこですかー?」
 看護婦さん
:「ああ、あの眠り姫ね。それなら405号室、個室よ」親切丁寧で優しいおねーさんが教えてくれる
楓 太
:「…ねむりひめ?」 お礼を言う前に、その呼称に、きょとり。
 看護婦さん
:「うん。ずっと担ぎ込まれてから寝っぱなしなのよ。ぜんぜん起きないの。で、女の子だから『眠り姫』」
楓 太
:なるほどー、と頷いて。
 「そっかあ…」 やっぱり、関係しているのかなあ、と考えつつ。
 「あ、ありがとーございました!」
ぺこり。お辞儀。
 看護婦さん
:「いえいえ」手を振って見送る
楓 太
:ぱたぱた。言われた通り、405号室に向かう。表札を見て、確認。
こんこん、ノック。 「えっと、失礼しまーす?」
G M
:返事はない、ただ、点滴の流れるのを調整する機械の定期的な音がするだけだ。
楓 太
:少し躊躇ってから、 「………」 ノブを回して、扉を開く。そぉっと。
G M
:開くと、ベッドに眠る皐月がいる。他に人影はない。
楓 太
:起こさないように静かに中に入って、…椅子にぶつかって、こける。
 「わわわわわっ!?」 流石に顔面から着地、なんて間抜けな事にはならなかったけども、ついつい大声。
G M
:点滴の流れを調整する機械があるだけで、酸素吸入器などは置かれておらず、御多分にもれないシンプルな部屋だった。
ごん。
なんか妙な音がしたが、気にせず。
楓 太
:あたふたあたふた。怪我はないけども、慌てて身を起こす。
G M
:そんな変な音がしたのにもかかわらず、病室の皐月は変わらず寝息を立てている。
楓 太
:「…………う、うゅ?」 きょろきょろ。なおも眠る皐月。
「…皐月ー?」 花束を持つのと逆の手で、ぱたぱた、手を振って呼びかけてみたり。
皐 月
:「すぴー」
楓 太
:「…寝てるー?」 見れば解る。
G M
:目覚める気配なんてものはなく、ましてや狸寝入りでもないようだ。
楓 太
:「うゅ。」 普段は楓太に負けず劣らず騒がしい少女。なのに、今は眠ったまま。
G M
:恐る恐るおでこに触れてみる。―――途端、白昼夢を見た。
楓 太
:「…………どうしちゃったのかなぁ」 そっと触れて、――ゆら。意識が揺れる。
G M
:―――殺したのは誰?
 ―――その手と口にある血は誰のもの?
G M
:少女が目の前に立っていた。場所は病室、傍らには先ほどと同じように皐月が眠っている。
ただ違うのは、自分の口と両手が朱色に染まっていたこと。
楓 太
:「…………え?」 声に、自分の手を見る。あかい。
口に、ナニカついている。拭う。袖が、あかく。染まる。
 …誰の? 知らない。
少 女
:「本当に貴方の両親は本当『失踪』したの?」虚ろな目で語りかける。足元に死体があった。大人の、死体。二つある。
楓 太
:こえに、視線を、落とす。二つの死体。
知らない。こんなひとたち、知らない。ボクは知らない。
少 女
:「これはあったかもしれない過去。もしかしたら覚えていないだけなのかもしれない過去」
楓 太
:「…ち、ちが…っ」 否定の、言葉。言葉にならない。少女の声は聞こえているのかいないのか。
少 女
:「違うの? でも染まっているのは貴方の手と口」淡々と事実だけを告げる。
楓 太
:あかいいろ。まっかな手。まっかな口。誰の、血?
 「だって、ボクは、こんなの、…知らないっ」
ふるふる、首を振る。
少 女
:「両の手は、その牙の生えた口は、血に染まり、紅く染まる」にい、と口だけが嗤う。三日月に。
楓 太
:「誰…? キミは、誰。ボクは…、知らない」 嗤う少女とは対照的に、瞳には怯え。
少 女
:「わたし。わたしは誰だろう。『誰か』の代わり。『誰か』がいる限り、わたしは『原型』ではないもの」
淡々としたこの口調の中でひときわ、其れだけが君には寂しげに聞こえた
楓 太
:「…………キミは、キミじゃ、ないの?」 瞬き。ほんの一瞬。あかも何もかも忘れ。
少 女
:「『代わり』として生まれたものは『代わり』でしかない」
楓 太
:「代わり? …おかしいよ、そんなの…」
少 女
:「おかしいかしら」
楓 太
:「だって、誰にも、誰かの代わりになんて、なれない。そのひとは、そのひとでしかない」
少 女
:「……同じもの。まったく同じものは二つもいらない」目を細めた。不意に、足元で何かが服を引っ張る
楓 太
:びくり。身体が、震える。
G M
:ぎし、ぎし、と
君の身体にしがみ付いて上るようにすがるように。その二つの物体は君を掴む。真っ赤に染まって
楓 太
:「…………ッ」 息を呑む。
G M
:虚ろな顔には何も浮かばない。君の背筋は怖気で凍りつく。
楓 太
:あかい口、あかい手、あかいひと。
少 女
:「逃げたいなら、逃れたいなら―――どうぞ此処へ」耳元に届くその言葉はとてもとても甘美で優しい囁きに聞こえた。
楓 太
:「…ど、………こ?」 尋ねる声は擦れ。
少 女
:「此処、夢の中。夢だったら何でも出来るよ。貴方だけの世界」
楓 太
:「夢…」 ボクだけの、世界。…でも。
 「…嫌だっ、やだ、そんなの、…………」 ぎゅう、と。拳を握る。
少 女
:「嫌? 夢はとても暖かいのに。こんな怖いこと、なくなるのに?」
楓 太
:意識を逸らせば、すぐそこに迫る恐怖。それから逃れられるのは、とても魅力的な提案だと感じるけれど。
 「でも、夢見てたら、怖い事なくても、みんなと遊んだり、笑ったり…出来ない、ボクだけの世界なんて、そんなの、嫌だっ」
G M
:その言葉を後押しするように、風が舞い込んだ。
ふと気が付くと、先ほどいた病室。目の前には先ほどと同じように眠る皐月がいる。
楓 太
:「あ、れ…………?」
視線を巡らせる。白い病室。
掌を、見る。
G M
:掌は汗ばんでいるだけだった。
部屋を見渡すと窓が開いていて、風が吹き込んでいる。
楓 太
:あれは、単なる、夢? ――それとも。
開かれた窓。最初から、開いていたっけ?
G M
:記憶が混乱していて覚えていない。ただ解ったのは―――多分これが『原因』だ。
楓 太
:「…なんだった、んだろう」 窓辺に寄れば、髪が風に揺られる。
窓に手を掛け、閉めようとして。天を見上げる。どこまでも蒼く、澄んだ空。
けれど“夢”の中で見たあかは、目に焼きついて離れない。
G M
:その傍らで、寝息を立てる皐月がいる。すうすうと寝る彼女の表情は、喜怒哀楽どれにも当てはまらない。
楓 太
:「…………ボクは、それでも」
ふるり、首を振る。
表情を、笑顔に変える。 「…皐月、起きたら、また、遊ぼうね。絶対、起きてね」 眠る少女に、呼びかけて。
落としてしまった花を拾い上げると、隅に置かれていた花瓶に生けて。
それから。『眠り姫』の住まう病室を、後にした。



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